(回答者:ゆたに整形外科クリニック院長 油谷安孝)
【外反母趾のため、足裏に「たこ」が。手術が必要か】
外反母趾になると、ご質問のように痛い「たこ」(胼胝)が生じます。足の裏側や親ゆびの内側、ときに足関節の内下方にも生じることがあります。さらに神経が障害されると、ゆび先にしびれが出現します。これらはすべて足の構造が変わることによって発症します。
【変形があっても痛みがないと受診しない人が多い】
親ゆびが曲がる原因としては、生まれつき骨の並びが異常である場合、関節の形が異常な場合、筋力のバランスが変わってしまった場合、きゅうくつな靴で足の構造をくずしてしまった場合などさまざまです。靴が原因の場合などは運動や装具で、ある程度食い止めることができますが、生まれつき足の骨の配列が異常な場合は、足全体の骨の配列もくずれるため非常に治療が困難です。
変形初期での治療開始が重要ですが、実際は変形があっても痛みがないと治療に来られないことが多いようです。
また外反母趾には、ほかの疾患との合併もよく認められます。足裏がしびれる「足根管症候群」、3番目と4番目のゆびに激痛が走る「モートン病」、踵が痛くなる「足底腱膜炎」などで、鑑別が必要とされます。
前述したように、外反母趾で「たこ」ができる原因は足の構造のバランスがくずれてしまうためです。足を包む皮膚や脂肪組織は、体重を支えて歩くのに都合よくできているので、ふつうは長時間の圧迫でもクッション作用のおかげで痛みは生じません。しかし、扁平足や外反母趾では、そのクッションがずれてしまい、皮膚に異常な刺激が加わるため、「たこ」ができます。切除して一時的に除痛効果が得られても、基本構造に変化がないかぎり、再発をくり返します。下層には骨組織があるので切除後、感染が生じた場合には骨髄炎になる可能性もあり、注意が必要です。
【術後も再発予防のため運動や治療の継続を】
外反母趾が進行すると何か所にも「たこ」ができます。横のアーチがくずれると足裏に、足ゆびの外反が著しくなれば親ゆびの横に、縦アーチがくずれると足関節の下内側に「たこ」ができます。運動や装具で痛みが軽減されない場合は手術を選択することになります。
手術の方法は、骨が少し突出している程度では骨切除ですむこともあります。変形が著しくなれば、骨を切って矯正を加えます。手術の合併症としては、変形の再燃や、ほかのゆびに「たこ」が生じたり、親ゆびが反対に反る、切った骨が癒合しない、神経損傷でゆびがしびれるなどのケースが考えられます。
変形と痛みは手術により軽減しますが、足全体の病気であるため、徐々に進行すると考えられます。大切なことは、手術後もそれぞれの症状に合った適切な運動を継続し、再発をさけるための靴や装具をもちいて後療法に努めることです。
(注:足のゆびの場合、基本的には「趾」で「指」はもちいませんが、ここでは「ゆび」としました。「たこ」は「胼胝」ですが、ここでは「たこ」をもちいております)
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