[γ-GTP値が高い](07/01/30)10年前からγ−GTP値やビリルビン値が高く、定期的に採血やエコー検査を受けています。 肝臓内の細い胆管内に障害か (埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科助教授 名越澄子) 【肝生検をすすめられたがどんな病気の可能性があるか】 γ−GTPは肝臓の解毒作用に関係している酵素で、肝臓や胆管の細胞が壊れたことの指標としてもちいられています。 γ−GTPの正常値は、男性70IU/l以下、女性40IU/l以下です。飲酒で上昇するため、飲酒者を健常人に含めなければもっと低い値になります。ご相談者のγ−GTP値上昇の原因がお酒なら、禁酒をすすめられても、肝生検まですすめられることはないでしょう。ただし、お酒を大量に飲んでいても正常値の人もいれば、少量で上昇する人もいます。2週間禁酒をしてγ−GTP値が下がれば、飲酒が原因と考えられます。 【症状からすると胆汁の流れに問題があるのでは】 飲酒以外にγ−GTP値が上昇するのは、肥満による脂肪肝や胆汁の流れが障害されている場合です。前者は肝機能検査でAST(GOT)とALT(GPT)といった肝機能に疾患があると高くなる酵素の値も上昇しますが、ALTがより高い値となり、エコー検査(腹部超音波検査)で簡単に診断できます。一方、胆汁の流れが悪くなると、γ−GTPとともに、胆管に異常があったときなどに増える酵素、ALPの値がAST、ALTと比べてより高くなります。ALPの値は、測定にもちいるくすりの種類によって大きく変わりますが、ご相談者のALP値378は、軽度の上昇と考えてよいでしょう。AST、ALTの値は不明ですが、ほぼ正常値であれば、胆汁の流れに問題がある可能性が高いでしょう。 胆汁は肝臓の細胞でつくられ、細い胆管の中を流れて肝臓の外に運ばれ、胆のうに蓄えられ濃縮されます。そして食べ物が胃から小腸に入ってくると胆のうが収縮して、胆汁は総胆管を通って十二指腸へと一気に流れでます。もし、総胆管に石がつまるとγ−GTPとALPの値は上昇します。さらに閉塞がすすむと胆汁中に含まれる黄褐色のビリルビンという物質が行き場を失い、血液中に逆流して皮膚が黄色くなる黄疸症状をおこします。この際、拡張した胆管をエコー検査で確認できます。 このように太い胆管が閉塞した場合はエコー検査が役立ちますが、細い胆管は拡張していても見ることはできません。また、ご相談者のように胆のうを切除すると自然に胆管が拡張することが多いので、エコー検査をしても胆管のどこで流れが悪くなっているのか判断しにくくなります。 【細い胆管を障害する代表的な2つの疾患】 肝臓内の細い胆管を障害する代表的な病気は、薬物性肝障害と原発性胆汁性肝硬変(PBC)です。薬物性肝障害はサプリメントや健康食品、民間療法などでもおこります。PBCの多くは肝臓内の細い胆管に軽い炎症があるだけで症状がなく、γ−GTP値とALP値の上昇で見つかります。全身の皮膚のかゆみや黄疸が現れ、肝硬変に進行する場合もあります。血液検査でIgM値の上昇と抗ミトコンドリア抗体が陽性ならばPBCの可能性が高くなりますが、診断の確定には肝生検で胆管の異常の有無を見る必要があります。 太い胆管の病気が否定され、これらの血液検査に異常が見られる場合は肝生検をすることをおすすめします。症状や検査値は変化することもあるので、定期的な検査が必要です。 ご感想・ご質問
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