[脳梗塞の再発](07/02/28)2年半前に最初の脳梗塞がおこり、視野狭窄と地理的な認識低下の後遺症があります。48歳・男性。 くすりの服用や血流を増やす手術をするのが一般的 (昭和大学藤が丘病院脳神経外科教授 藤本 司) 相談者の場合、2年半前の最初の脳梗塞は、視野狭窄と地理的な認識低下の後遺症があることから、後頭葉の梗塞だと思われます。その後再発をくり返したとのことで、その領域の血流が少なく、不安定になっていると考えられます。 血管が細いため、カテーテルによる治療を途中で断念したとありますので、右後大脳動脈を流れている血管(椎骨動脈−脳底動脈−右後大脳動脈。1か所の狭窄なら右後大脳動脈の可能性が高い)に狭窄があり、不安定な虚血状態(血流が少ない状態)にあると考えます。 脳梗塞には脳の比較的太い血管におこった動脈硬化性の変化で、狭窄や閉塞が生じて発症するアテローム血栓性脳梗塞や、心疾患があり、そのほか、血栓などの塞栓子(血管を閉塞するもの)が流れてきて、脳血管を閉塞して生じる心原性脳塞栓症、さらに、脳の深部の細い血管に動脈硬化による狭窄や、閉塞が生じておこるラクナ梗塞があります。相談者は右後頭葉のアテローム血栓性脳梗塞と考えられます。 【まずは抗血小板薬の服用や脱水を防止する】 再発予防には狭窄した部位の血流が低下しないようにすることと、血流が少なくなった部分を広げたり、血流を増やす手術を行うことが考えられます。狭窄部位の血流を維持するためには、血液が固まりにくくすることと、動脈硬化をすすめない治療が必要です。 血液を固まりにくくするためには、血小板の機能を抑制するくすり(抗血小板薬)が使われます。具体的にはアスピリン、チクロピジン、クロピドグレルなどです。また、EPA(エイコサペンタエン酸)やビタミンEにも血小板を抑制したり、血管壁を守ったりする作用があります。 脱水になると血液が濃くなり血流の粘度が上昇して、血栓ができやすくなります。水分が不足しないよう、注意が必要です。高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症も動脈硬化をすすめ、血栓を生じやすくするので治療が必要です。また、喫煙もさけるべきです。 【手術方法は血管の狭窄が生じた場所により異なる】 部分的に狭窄がある場合はカテーテルによる手術で血管を拡張させることも考えられますが、実際にはなかなか困難で、相談者の場合もできなかったとのことです。 手術は、後大脳動脈の根元近くに狭窄があって、その先の血流が少なくなっている場合、頭の皮膚にある血管「浅側頭動脈」を頭蓋骨にあけた穴から狭窄部より末梢側の血管につなぎ合わせる手術(頭蓋外頭蓋内血管吻合術)をすることが可能です。脳の精密な手術のため、行える病院がかぎられます。 そのほか、後大脳動脈領域の脳をおおっている硬膜の血管から虚血脳へ新生血管を誘導できる間接的血行再建術RDP(Reverseddurapexia)があります。ただし、この手術は脳梗塞が軽度であること、SPECT(ガンマカメラで撮影した血流量などの断層画像)検査を行い、その領域の脳が血液を必要としていることが条件となります。 脳梗塞は多くのことが関係しており、治療法も患者さんの状態で変わります。主治医とよく相談し、納得したうえで積極的かつ根気よく治療していただきたいと思います。 ご感想・ご質問
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