[飛蚊症の再発の可能性](07/03/10)先日、飛蚊症でレーザー治療をしました。57歳・女性。 レーザー治療で完治も。再発の可能性はゼロではない (医療法人社団済安堂井上眼科病院理事長 井上治郎) 【飛蚊症でレーザー治療をしたが、再発の可能性はあるか】 飛蚊症とは、目の前に何か黒いものが飛んでいるように見える状態をいいます。蚊が飛んでいるように見えることからこう表現しますが、このほかに水玉、ハエ、黒いスス、糸くず、オタマジャクシ、輪などが見えることもあります。 この黒いものはとくに明るいところ、たとえば空を見上げたり、白い壁をバックにしたときによく見えます。また、網膜に近い部位の濁りほど、よりはっきり見えます。 数か月から数年かけて硝子体が徐々に眼球の前方に移動すると、濁りが網膜から遠ざかるため、影はしだいにぼやけて、あまり気にならなくなることがありますが、一生涯消えないこともあります。 飛蚊症は老化現象による硝子体の変化なので、放置してもとくに問題はありません。 【後部硝子体剥離が引き金で重大な病気になることも】 硝子体は通常、網膜と軽く癒着していますが、加齢により硝子体が収縮し、前方へ移動すると、この癒着もはがれます。これを後部硝子体剥離といいます。 後部硝子体剥離の発生頻度は40歳以降で徐々に増えますが、とくに60歳代前半に目立っています。飛蚊症で受診した人の75%で後部硝子体剥離が見られ、さらに50歳以上に限定すると、93%に上ったという報告もあります。 後部硝子体剥離は、硝子体の年齢による変化としておこるわけです。しかし、これが引き金となって重大な病気がおこることがあります。そのなかで、もっとも注意を要するのは網膜裂孔という病気で、後部硝子体剥離の6〜19%におこります。 【網膜裂孔を放っておくと網膜剥離になる危険が】 後部硝子体剥離がおこると、硝子体と網膜の癒着がはがれると述べましたが、硝子体の全部がはがれるわけではなく、周辺部ではくっついている部分と、くっついていない部分ができています。この癒着部の網膜が引っ張られて、網膜に孔があいてしまうことがあります。これが網膜裂孔です。 網膜裂孔は放っておくと、液状になった硝子体が裂孔を通って網膜の後ろに入り込んで、網膜が浮き上がり、網膜剥離になります。 網膜剥離は手術しか治療方法がありません。しかし網膜裂孔だけの時期に発見できると、光凝固療法といって、外来でレーザー光線を裂孔の周囲に照射する治療で、網膜剥離を防ぐことができます。したがって、飛蚊症を自覚したら、なるべく早く眼科医を受診することが大切です。 網膜裂孔でレーザー治療をした場合の再発の可能性は、裂孔がひとつで、完全にレーザーで固めてしまえばないと思ってください。 しかし、裂孔の周りに少し剥離が存在していたりして、閉鎖が不完全になってしまうと、再発することもあります。また、裂孔だけでなく網膜の別の場所に弱い部分があったりすると、そこに再び孔があく危険性があります。したがって、経過はよくても治療を受けた眼科医の診察を定期的に受けたほうがよいと思います。 ご感想・ご質問
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