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[耳管開放症の治療法](07/03/20)

耳管が開いたような状態で耳鳴りがひどいため受診したところ、漢方薬を使うくらいでこれといった治療法はないといわれ、愕然としています。27歳・女性。

本当にほかに治療法はないのでしょうか。症状を緩和する方法があったら教えてください。


多くは急激な体重減少が原因。体重、体調の調整も肝要


(神尾記念病院検査部長 工藤伸幸)

【漢方薬以外に治療法はないといわれたが、本当か?】

 耳管とは鼓膜の内側(中耳腔)と鼻の奥(上咽頭腔)をつないでいる管のことで、鼓膜の内側と外側の気圧を調節し、その張り具合を適切に保つ役割を担っています。

 通常、耳管は閉鎖されており、口蓋帆張筋という筋肉のはたらきで開くようになっていますが、この筋肉は飲み込む動作にしたがってはたらくので、高い山に登って耳がツーンとなった場合などは、唾を飲み込むともとにもどるのです。

 しかし耳管開放症では耳管が開きっ放しになっているので、息を吸ったり吐いたりするだけで上咽頭腔の圧が変わり、鼓膜の内側に空気がでたり入ったりしてしまいます。典型的な耳管開放症では、呼吸につれて、鼓膜がふくらんだりへこんだりする様子を観察できるほどで、そうなると耳がつまった感じがしたり、シューシューと空気が通り抜けるような耳鳴りが生じてしまいます。

【耳管の周囲がやせ耳管が広がってしまう】

 耳管開放症の原因ですが、もっとも多く見られるのは、急激な体重減少によるものです。耳管周囲の組織がやせてしまうことで、耳管が広がってしまうのです。また、疲れや睡眠不足、女性であれば妊娠を契機にこうした症状が現れることもあります。

 治療は、やはりむずかしいといわざるを得ません。理論的には耳管開口部付近をわざと傷つけるような処置をしたり、手術でせまくすればよいのですが、せまくしすぎると、耳管が開かなくなり、今度は耳管狭窄症という別の病気を発症してしまいます。といって十分にせまくすることができなければ、開放症の症状も改善しません。開いている穴をふさいだり、ふさがっている穴を広げるのは簡単ですが、ちょうどよくふさぐというのは、とてもむずかしいことなのです。

 結果として、対症療法に頼らざるを得ないのが現状です。鼓膜が動いてしまうことが不快感の一因ですから、鼓膜にテープを貼り、補強するといった鼓膜の動きを制限するような処置を施します。

 そのほか、鼓膜に穴を開け、耳管を通じて入ってきた空気を鼓膜経由で外に逃がすという方法もあります。ただし、そうした治療では、鼓膜の動きを抑えることはできても、耳管の中を空気が通り抜ける音までは消すことができません。

【ゆっくりと時間をかけてもとの体調にもどす】

 疲れや睡眠不足といった体調不良が原因であれば、加味帰脾湯などの漢方薬も有効でしょう。また、耳の後ろの骨をグリグリとマッサージすることで症状が改善することもあります。

 急激な体重減少が原因であれば、しばらく様子を見ることです。減ったぶんの体重をもとにもどすか、あるいは体重がそれ以上減らないように維持していれば、日常生活に必要な組織は自然に回復してくるはずだからです。そうなれば、耳管の閉鎖も行われるようになり、耳鳴りや閉塞感といった症状も改善されるに違いありません。あせらず気長に、損なわれたからだのバランスがもとどおりになるのを待つというのも治療法の1つです。

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