現在位置:asahi.com>健康>健康相談> 記事

健康相談どうしました・保健同人社

[発汗異常](07/04/30)

最近、体の右側だけに汗をかくので変な感じがします。59歳・男性。

体に何か異変が起きているのでしょうか。どのような病気が考えられますか。


なんらかの神経疾患か皮膚疾患と考えられる


(愛知医科大学 皮膚科 助教授 玉田康彦)

【体の右側だけ汗をかくので不安】

 病的な汗っかき(多汗症)には全身の汗が多くなる全身性多汗症と、体の決まった部位だけに汗が多くなる、限局性多汗症があります。

 全身性多汗症はさまざまな原因で起こりますが、主なものはホルモン・代謝の異常(内分泌疾患)と、神経系の疾患です。

 一方、限局性多汗症は手のひら、足の裏に現れるものが多いといわれています。それ以外の部位はまれですが、その原因を大きく分けると、(1)中枢神経(脳や脊髄)の異常、(2)末梢神経の異常、(3)皮膚疾患、(4)無汗症に伴う代償性の多汗、(5)その他(原因不明のものを含む)があります。

【限局性多汗症の主な原因】

【(1)中枢神経の異常】

 脳腫瘍、脳膿瘍、脳血管障害や脊髄空洞症、脳や脊髄の外傷などがよく知られています。そのほか、大脳皮質の障害でもいろいろな発汗異常が起こります。大脳皮質には汗を促す部分も、汗を抑えるように働く部分もあります。

 また脳のどの部位に障害があるかによって違ってきます。脳梗塞では半身不随になったとき、麻痺した側(脳梗塞のある側と反対側)の汗が増えます。この症状は麻痺の初期に特に強く現れ、日がたつにつれ軽くなります。麻痺から回復すると、汗の左右差も減ることが多いようです。

【(2)末梢神経の異常】

 ギラン・バレー症候群、鎖骨静脈瘤や肺がんなどの胸腔内占拠性病変、交感神経切除が知られています。

【(3)皮膚疾患】

 エクリン汗腺の過誤腫であるエクリン母斑、血管腫の一種であるグロムス腫瘍や青色ゴムまり様母斑症候群などが知られています。

【(4)無汗症に伴う代償性の多汗】

 汗が出ない部分が広くなると、患者さんはむしろ健常な部位の汗が多すぎると思い違いすることがあります。わずかに残った健常な部分はそこだけで汗の出ない部分に代わって、大量の汗を出すので、そこが異常だと思い込んでしまうのです。正確な検査をすると、本人の訴えとは逆に、皮膚の大部分に汗が出ていないことが分かります。

【(5)その他(原因不明のものを含む)】

 また、パーキンソン病も顔から汗がたくさん出ることがあります。これは顔以外の部分からの発汗が障害されているために起こる代償的なものです。糖尿病における神経炎でも、体の下部で発汗が減り、それによる代償的な現象として体の上部の発汗が増えます。そのほか、原因不明のものもあります。

 限局性の発汗障害は種々の原因で発症することから、原因検索のため神経学的な診察や発汗部位の検索、採血検査、画像診断(CTやMRI)、皮膚生検などを行い精査する必要があります。

 相談者は右側だけに汗をかくとのことですので、なんらかの神経疾患も否定できません。神経内科の専門医および皮膚科医の診察も必要でしょう。

ご感想・ご質問

 保健同人社では、皆さまからのご相談を募集しています。からだや病気の相談に加え、こころの悩みや暮らしの中の素朴な疑問まで、ますます充実した当相談室が最前線で活躍する専門家とともに、解決のお手伝いをいたします。個人のお名前は一切だしませんので安心してご相談ください。
 お寄せいただいた相談は、月刊『暮しと健康』誌面上で回答させていただきます。できるかぎりとりあげさせていただきますが、回答いたしかねる場合もございます。また、回答まで数週間から数か月かかるものもありますので、あしからずご了承ください(回答は診断ではありません。健康についてのアドバイスとしてご活用ください)。
 質問要領・ご注意:年齢、性別、身長、体重、症状、経過、既往歴、服用中のくすり、飲酒や喫煙の有無など、必要と思われることは詳しくお書きください。個人への直接回答はいたしません。

宛先:asahi@hokendohjin.co.jp

健康相談 バックナンバー

バックナンバー

このページのトップに戻る