[脳梗塞後のリハビリ](07/05/10)夫が脳梗塞の後遺症でリハビリを行っていますが、考えていたほど効果が上がりません。51歳・女性。 回復期リハビリ病棟のある専門病院での治療が望まれる (昭和大学藤が丘病院脳神経外科教授 藤本司) 【リハビリの効果が上がらない。専門機関が知りたい】 ご主人は脳梗塞による右片麻痺と失語、さらに感情失禁などを伴った後遺症があり、左側の中大脳動脈か内頸動脈領域に梗塞があると考えられます。 【脳梗塞には3種類ありそれぞれ治療法が異なる】 脳梗塞には動脈血栓性梗塞、心原性塞栓症、ラクナ梗塞の3種類があり、発症の仕方や併存する疾患、治療法も異なります。脳梗塞発症後7日以内は増悪や再発の危険性が高く、病態を踏まえた十分なリスク管理が必要です。 しかし、急性期の早い時期から全身の状態を管理しながらリハビリテーション(以降「リハビリ」)を始めたほうが改善を期待できます。 脳卒中診療では、発症から3週間を急性期、3カ月までを回復期、それ以降を維持期とすることが多く、急性期のリハビリは、発症後3週間までを指します。 この期間には、筋力の衰えや関節の拘縮を予防し、早期の日常生活動作(ADL)向上と社会復帰を図るため、十分なリスク管理のもと座位・立位、装具を用いた歩行訓練、摂食・嚥下(飲み込む)訓練などの積極的なリハビリを行うことが強く推奨されます。 その後は回復期リハビリです。発症から3カ月くらいまではだいぶ改善する可能性があるので、体制の整った回復期リハビリ病棟か、リハビリ専門病院で行うことが望まれます。ご主人はこの段階に相当すると思われます。 【リハビリ専門医が常勤しチームで治療にあたる】 リハビリ専門病院とは、リハビリ専門医が常勤していて、回復期リハビリ病棟があり、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、医療ソーシャルワーカー(MSW)がそろっていて、チームで行っていることが必須要素です。外来リハビリ、訪問リハビリの充実に力を入れていることも大切です。 専門病院では機能障害(麻痺など)の治療、日常生活動作の訓練を行います。さらに、健側(麻痺のない側)筋力低下や麻痺筋力低下、麻痺側の関節可動域制限などに対する治療も必要です。 補装具の適用、高次脳機能障害(脳の損傷で記憶・注意・思考・言語などの機能に起こる障害)や、うつ状態への対処、家族など介護者の訓練、住宅改造などの環境設定や介護保険の導入なども大切です。 障害によっては回復が困難なこともありますが、それを正面から受け止め、生活能力を向上させるための策を考えることが重要です。同じ障害があっても、向かう姿勢で人生は大きく変わることをしばしば痛感しております。 ご感想・ご質問
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