[卵巣がん](07/06/30)卵巣に悪性の腫瘍が見つかり、手術を受ける予定です。 場合によっては輸血も必要な大手術。治療は手術と抗がん剤の組み合わせ (名古屋大学大学院医学系研究科産婦人科学教授 吉川史隆) 卵巣の腫瘍は初期にはほとんど症状がないため、早期発見が難しい病気です。種類も多く、それによって少しずつ性格が異なります。 産婦人科を受診して、腟からの超音波(エコー)検査をすると、卵巣が腫れていれば小さくても確認できます。 しかし、閉経前には卵巣がホルモンの影響で大きくなることもあるため、5〜6cmまでの腫れなら2〜4週間後にもう一度確認する必要があります。 卵巣に増大傾向が認められたり、6cm以上の場合は、血液検査で腫瘍マーカー(腫瘍などから産生される特有な物質)を測定したり、MRI(磁気共鳴画像)検査で詳細に腫瘍の状態を調べます。 【悪性の腫瘍かどうかは手術してみなければ分からない】 卵巣腫瘍は手術以外の方法で組織を採取できないため、先の検査で悪性が疑われたり、増大傾向が見られる場合には、小さな腫瘍でも手術が必要となります。 手術で採取した細胞や組織を顕微鏡で手術中に検査します。良性か悪性かの判定を行い、さらに、悪性の場合は悪性度、組織型を診断します。 良性であれば病側の卵巣と卵管のみを切除します。悪性の場合には子宮、両方の卵巣と卵管、骨盤リンパ節、傍大動脈リンパ節と胃からぶら下がっている前掛けのような大網を切除します。 病変の広がりを認めたときには、腸を含めて切除することもあります。この場合、下腹部からみぞおちまでの切開が必要です。大手術で輸血をすることもあるため、術後にリンパのう胞(袋状の腫瘤)や腸閉塞などの合併症が起こる頻度も高くなります。 【手術後は2種類の抗がん剤を投与して治療する】 一部の卵巣腫瘍を除いて、悪性卵巣腫瘍は抗がん剤がよく効くため、早期でない限り、術後に抗がん剤治療をします。 相談者は61歳ですから、40〜60歳代に好発する悪性卵巣腫瘍の中の卵巣がんが最も考えられます。 現在、卵巣がんの標準的抗がん剤治療は、タキソールとカルボプラチンの組み合わせで行われます。以前より副作用はずいぶん少なくなりましたが、それでも相当の副作用があるのは事実です。 どちらの薬も白血球(細菌を殺す作用がある)や血小板(血を固める作用がある)を減少させてしまいます。これらの副作用には定期的な血液検査を行い、必要に応じて処置をしたり、次回の抗がん剤の投与量を減らします。 そのほか、タキソールには筋肉痛や関節痛を引き起こす副作用もあり、この副作用は漢方薬の投与などで軽減できますが、根本的な治療法はありません。 このように、悪性卵巣腫瘍の治療は、手術と抗がん剤治療を組み合わせて行われます。手術も抗がん剤治療も副作用や合併症はあります。しかし、副作用の軽減法も工夫されて、治療成績も向上してきていますので、前向きな気持ちで病気に立ち向かっていただきたいと思います。 ご感想・ご質問
健康相談 バックナンバー
|
ここから広告です 広告終わり 健康・企画特集病院検索症状チェック
一覧企画特集
BOOK
メディカル朝日どらく
朝日新聞社から |