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[血栓と不整脈](07/07/20)

血栓を起こしやすい不整脈とは、どんな不整脈か

65歳・男性。狭心症の後、イソソルビド(硝酸薬)などの内服を続けていますが、血栓が心配です。どのような不整脈のとき、血栓ができやすいかなど、不整脈と血栓の関連について教えてください。


心房細動という不整脈のときに血栓はできやすい


(東京厚生年金病院循環器科部長 倉澤忠弘)

 血栓のできやすい不整脈の代表的なものに「心房細動」が挙げられます。

 心房細動は、心房に、毎分300〜400回の不規則で頻回な収縮が起きる不整脈です。いったん起こると、しばしば、毎分100〜150回の頻拍発作となり、動悸や息切れを感じます。

【不整脈を繰り返すと心臓で血栓が作られてしまう】

 一時的な不整脈である発作性心房細動は、数分から長い場合には数日続くことがあります。この発作を何回も繰り返すうちに、左心房の中に血液がうっ滞して血栓を作ってしまうことがあります。

 ことに左心耳といわれる心臓の袋状の場所に血栓はできやすく、この血栓が心臓から脳に飛ぶと脳塞栓になります。

 脳塞栓は脳梗塞を引き起こし、梗塞の場所によっては片まひとなったり、しゃべれなくなったり、視野が狭くなるなど、脳に障害を残します。

 塞栓は全身のどの臓器でも起きる可能性があり、腎梗塞や脾梗塞などがよく見られます。また、四肢の血管が塞栓して、手や足の先が真っ白になると、手術で血栓を除去しなければならないこともあります。

 発作性心房細動では薬物治療やカテーテルによる治療が行われます。しかし多くが慢性の不整脈である持続性心房細動になっていきます。持続性心房細動で血栓予防をするかどうかは、患者さんの病状と医師の判断によります。

【不整脈以外の心疾患がある場合も塞栓を起こしやすい】

 僧帽弁狭窄症(左心房と左心室の間にある僧帽弁の働きが不十分な状態)を代表とする、リウマチ性弁膜症がある場合には、健常者と比較して18倍、弁膜症のない場合でも6倍の頻度で塞栓を起こすという報告もあります。ワルファリン(経口抗凝血薬)、少量のバファリン(抗血栓薬)などの服用で血液をサラサラにさせて血栓・塞栓の予防をするのが一般的です。

 血栓を起こす不整脈はほかにもあります。心房細動に類似している疾患の心房粗動、心臓が突然、何秒も停止してしまう洞不全症候群や、完全房室ブロックといって、極端に脈が遅くなってしまう不整脈などです。こうした場合には、心臓にペースメーカーの植え込みが必要になります。

 また、不整脈はなくても、拡張型心筋症(心室の筋肉の収縮が極めて悪くなり、心臓が拡張してしまう疾患)、心筋梗塞後の心不全(心臓が弱って、必要な量の血液を送り出せない状態)など、左心室の動きが極端に悪い場合には、心室の中に血栓ができ、それが全身に飛んでいってしまうこともあります。

 狭心症(胸痛を伴う一過性の発作)と血栓は、直接の関係はありません。しかし、こうした不整脈を合併した場合には、特別な注意が必要です。

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