[肺炎](07/07/30)エックス線に写らない肺炎があるのか? 肋骨や心臓などと重なる部分の肺炎は胸部CT検査でしか分からない (藤沢市民病院呼吸器科医長 西川正憲) 肺に炎症が起きる病気を総称して、肺炎といいます。 肺炎には、呼吸の際に吸い込んだ病原菌(細菌やウイルス、真菌など)に感染して起こる肺炎(感染性肺炎)と、薬剤やアレルギーなどによって起きる肺炎(非感染性肺炎)の2つがあります。 感染性肺炎の病原菌は、呼吸をするときに鼻や口から体に侵入します。 健康で元気なときは、たんやせきと一緒に体外に排出されますが、風邪をひいていたり、体力(免疫力)が低下しているときなどには、病原体をうまく体外に出すことができず、肺で炎症が起こってしまいます。 特に高齢者や腎臓病、糖尿病といった慢性の病気を持っている方は、免疫力が低下しているため、ちょっとした風邪から肺炎にかかりやすいといえます。 【症状とエックス線検査の所見は必ずしも一致しない】 肺炎の主な症状は、せきやたん、発熱、悪寒、胸痛、呼吸困難などです。高齢者では食欲が低下する、元気がなくなるといった症状しか見られない場合もあるので、注意が必要です。 こうした症状は必ずしも肺炎だけに見られる症状ではなく、気管支炎や風邪などにも共通しています。 肺炎の診断には、肺で炎症が起こっていることを確認するために、胸部エックス線などの画像検査が不可欠です。 胸部エックス線などの画像所見では、急性で新たに出現したと考えられる浸潤影(真っ白に広がって映る影)を認めます。 しかし、胸部エックス線は肋骨や心臓などと重なる部位の陰影は見つけにくいことがあり、胸部CT(コンピューター断層撮影)検査をして初めて、淡いスリガラス状の陰影や小さな陰影を認めることもあります。 「エックス線に写らない肺炎」とは、こうした胸部CTでしか分からない肺炎を指していると考えられます。 症状(重症度)と胸部エックス線検査の所見は必ずしも一致しませんが、病状に応じた治療を行えば、胸部エックス線検査の所見にかかわらず肺炎も気管支炎も改善し、治癒します。 【インフルエンザワクチンなどの接種も肺炎予防に効果的】 肺炎を予防し、重症化を避けるためには、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどの接種が有効といわれていますので、かかりつけの医師に相談してみてください。 また、健康を長く保つために、日ごろから手洗い、うがい、歯磨き、歩行(運動)、入浴(清潔)、日光浴、十分な睡眠、栄養のバランスの取れた食事など、規則正しく健康的な生活を心掛けましょう。 適切な治療は、症状や身体所見から病状(重症度)を的確に判断することから始まります。高齢者では典型的な症状を認めないことも少なくありませんので、おかしいと感じたら、早めにかかりつけの医師に診てもらうことが大切です。 ご感想・ご質問
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