[椎間板ヘルニア](07/08/30)手術をすることは一般的な治療法か ヘルニアは自然に消退することもある。一般的に手術は最終手段と言える (東京女子医科大学附属八千代医療センター整形外科准教授 山本直也) 背骨にある椎間板は加齢に伴って水分が減少し、外層にひびが入ります。この変化(椎間板変性)は程度の差こそあれ、誰にでも例外なく生じます。 椎間板のひびから中心にある髄核という軟骨が後方に飛び出し、神経を圧迫してしまう病気が椎間板ヘルニアです。 【中腰の姿勢や重い荷物を持つ作業などは避ける】 症状は腰痛に始まり、臀部痛や下肢(足)の痛み、しびれが出現します。神経の圧迫が強いと下肢筋の脱力などを生じる場合もあります。 そのほか、ヘルニアが大きかったり腰椎と仙椎の間にできると、仙髄神経がまひして膀胱直腸障害を生じることがあります。 腰痛は下肢症状の出現とともに軽減することが少なくありません。椎間板の変性は回復しませんが、ヘルニアは自然消退することがあるため、手術をしない保存的治療が原則です。安静や保温、コルセットや鎮痛薬などを用いて治療します。中腰の作業や重いものを扱う作業を避けるなどの自己管理も大切です。 それでも痛みが改善しない場合には、ブロック注射を行います。硬膜外ブロック(仙骨裂孔ブロック)と神経根ブロックがあり、硬膜外ブロックは1週間に1回程度行い、痛みの程度により数回試みます。 神経根ブロックは痛みの原因の神経に直接針を当てるため、1〜2回が原則です。 【脱力が進行してきたのであれば早めの手術をお勧めする】 手術は最終手段です。保存的治療を2カ月程度行っても耐え難い痛みがある場合や、かかと歩き、つま先歩きができなくなるような下肢の脱力が生じた場合に選択します。 まひが最終段階になり、つま先が動かなくなってからでは、手術をしても、まひは回復しません。脱力がある程度進行してきた場合には、早めの手術をお勧めします。 しかし、手術では傷んでしまった神経を直接治せるわけではなく、ヘルニアを取り除き神経の環境を改善することしかできません。 手術方法は、従来の背側からのヘルニア摘出術と、内視鏡を用いたヘルニア摘出術があります。さらに、腰痛が強く、腰椎が不安定な場合にはヘルニアの摘出だけでなく骨移植による腰椎固定術が選択されます。 近年、内視鏡によるヘルニア摘出術が広まっています。従来法と比較して切開の大きさは2分の1から3分の1ですが、手術時間が長くなるような難しいヘルニアの場合には、従来法に変更することもあります。 ヘルニア摘出術だけであれば従来法でも、内視鏡手術でも術後2〜3日で歩行可能です。しかし、腰椎固定術では1週間程度かかります。 医師から詳しい診断と手術のメリットとデメリットの説明を受け、現状のつらさを考慮してご判断ください。脊椎専門の整形外科医に相談することをお勧めします。 ご感想・ご質問
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