[前立腺がん](07/10/10)内分泌治療以外の選択肢は? 骨転移の痛みも予防したい 内分泌療法は進行した前立腺がんに選択される方法 (東京医科歯科大学大学院泌尿器科教授 木原和徳) 前立腺がんとは、膀胱の出口にあり、中を尿道が貫いているくるみ大の臓器にできるがんです。前立腺はPSA(前立腺特異抗原)という物質を分泌していて、がんになると血液中に増加するため、がんの指標(マーカー)となります。前立腺がんは、主に骨とリンパ節に転移を起こします。 通常PSAが100ng/ml以上であれば、骨転移があると想定されます。相談者の場合、900ng/ml台なので、多発性の骨転移のある、進行性前立腺がんの状態であると考えられます。 前立腺がんは男性ホルモンに依存して増えるため、転移のある場合の治療は、その作用を除去する内分泌療法が第一に選択されます。 【男性ホルモン完全ブロック法とも呼ばれる内分泌療法】 内分泌療法は、以下のような方法で男性ホルモンの作用を除去します。 (1)男性ホルモンをつくっている主な臓器である精巣を除去 (2)精巣で男性ホルモンをつくらせるシグナルを消す(脳下垂体から出ている) (3)男性ホルモンが前立腺がん細胞で働かないようにする 相談者の受けている治療に含まれるゾラデックス(R)は、(2)の作用、カソデックスは(3)の作用を持っています。(2)と(3)を足すことで、効果の増強を図る治療法です。 (3)によって副腎からの男性ホルモンもブロックするので、男性ホルモン完全ブロック法とも呼ばれています。効果もあり、世界的に広く行われている治療法です。ただ、ゾラデックス(R)の単独使用と比較して、生存の延長という点で著しく優れているというわけではありません。 相談者の場合、PSAが下降中あるいは、同レベルであれば本療法を継続し、PSAが上昇するようであれば、他の治療へ変更することになります。 治療薬に依存してPSAが上昇していることもありますので、治療をやめることで数値が下降しないかどうかを確認します。 PSAが上昇し、ホルモン抵抗性となった場合に有効な薬。 (1)カソデックス 以外の抗男性ホルモン薬 (2)女性ホルモン薬(エストラサイト(R)など) (3)デキサメサゾンなどの副腎皮質ホルモン薬 (4)化学療法薬(タキソテール(R)〈ドセタキセル〉:保険適用外) 患者さんの状況に合わせて用いられ、ホルモン抵抗性になっても、良好な状態で長い生存が期待できます。 【ビスホスホネート製剤で骨転移の痛みを予防】 骨転移の痛みの予防には、ビスホスホネート製剤が有効です。保険適用の承認も得られており、現在広く用いられています。また、骨痛には放射線照射や鎮痛薬も有効といえるでしょう。 ご感想・ご質問
健康相談 バックナンバー
|
ここから広告です 広告終わり 健康・企画特集病院検索症状チェック
一覧企画特集
BOOK
メディカル朝日どらく
朝日新聞社から |