[胃がん手術後](07/11/20)胃の全摘術後、体重が増えない。どうすればいいか? 術後は体重が戻るまで時間がかかる。日常生活では食事の取り方に注意 (獨協医科大学第一外科主任教授 砂川正勝) 胃がんの胃全摘術とは、胃をすべて摘出し、空腸(小腸)をつなぎかえて胃のかわりとする手術です。胃の一部を残す場合と異なり、体力の回復にも時間がかかります。個人差があり年齢なども影響します。胃全摘術直後は、以前の体重から15〜20%減少し、2〜3カ月後から徐々に増え、1〜3年で元の体重の90%程度になります。 【術後は食事や睡眠時間に注意し、規則正しい生活を】 手術後の体力の回復には、胃がんの進行度、手術の方法、術後の抗がん薬服用の有無など、いろいろな要素が関係しますが、手術後の生活で大切なことは、 (1)規則正しい生活をする (2)食事と間食の時間を守る (3)睡眠時間を十分取る (4)ストレスをためない などです。特に食事の取り方は手術前とまったく異なるので注意が必要です。 【食物をよくかむ】 胃がないため、口の中で食物を細かくかみ砕くことが必要です。手術前の2〜3倍の時間をかけてよくかんでからゆっくり飲み込んでください。術後、食道と空腸のつなぎ目が狭くなる場合があり、よくかんだものでないと通りが悪くなります。 【1回の食事量を少なめに】 体の調子が良いと、つい胃のないことを忘れて以前と同じ量を食べようとしますが、空腸は完全には胃のかわりができません。少量でも高カロリー、高タンパクの食物(肉、魚、卵、牛乳、チーズ、豆類など)を中心に、油ものを加え、体に合わせて食べてください。間食にはヨーグルトやチーズがいいでしょう。 【水分の補給を忘れずに】 食事のときに、お茶やすまし汁を飲むと腹が張るので制限する人がいますが、水分は吸収が速いため、少し待つと食事が入ります。また、夏場や暖房の効いた部屋にいると脱水症状を起こしますので、小まめに水分を取ってください。スポーツドリンクには体に必要な栄養素も含まれていますのでおすすめです。 【胃全摘後にはいろいろな障害が起こる】 手術後はいろいろな障害が起こります。ガスが多く出ることもその1つです。胃液が作られず、腸の中の細菌のバランスが変化することが原因ですが、障害というほどのものではありません。気になるようであれば、整腸薬などを処方してもらってください。 胃全摘後の障害で発症頻度の高いものは、逆流性食道炎、貧血、ダンピング症候群、腸閉塞、骨粗しょう症などさまざまです。これらの予防のためにも生活習慣を守ることが大切です。まだ手術後1年ですので、担当医とよく相談して、現在の病状に合わせて、焦らずゆっくりと段階的に運動量を増やしてください。 ご感想・ご質問
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