[唾液腺腫](07/12/10)全身麻酔、局所麻酔のどちらを選択すればよいか 腫瘍が確実に摘出されることが重要。メリットを考え選択を (埼玉医科大学病院歯科・口腔外科准教授 小林明男) 唾液腺の腫瘍は顔面や頸部、口腔内にできます。唾液腺の大きいもの(大唾液腺)には、耳の下にある耳下腺、顎の下にある顎下腺、口腔内の舌下腺があります。また、口唇や口腔内には小さな小唾液腺が多数あります。 いずれの唾液腺にも腫瘍ができますが、相談者の場合は舌下(口底部)にあるので、舌下腺か小唾液腺に由来する腫瘍と考えられます。 唾液腺腫瘍は薬では治りませんから、治療の基本は手術になります。口底部の唾液腺腫瘍を摘出する場合、局所麻酔で行うか、全身麻酔で行うかは、腫瘍のある部位や周囲組織との関係、大きさや性状によって変わります。 【舌下腺や小唾液腺には悪性腫瘍も多く、注意が必要】 唾液腺腫瘍の多くは耳下腺に見られ、舌下腺や小唾液腺から発生することはあまり多くありません。腫瘍には良性と悪性がありますが、舌下腺や小唾液腺には悪性腫瘍も多く、小さい腫瘍でも注意が必要です。腫瘍が周囲の組織と癒着し可動性がない場合や痛みがあるときは特に悪性を疑いますが、このような症状がないこともあります。 口底部腫瘍のある付近には、舌の知覚を支配する神経と、顎下腺でつくられた唾液を口腔内に排出する導管があります。手術で神経を損傷すると、術後、舌の知覚に異常を感じたりします。導管を損傷すると、唾液の排泄障害が起こることもあります。 できるだけ神経や導管を傷つけないように手術を行いますが、悪性腫瘍では周りの組織を含めて大きく切除する必要があります。術前に、良性か悪性かが分かれば、手術も行いやすくなります。 【摘出した腫瘍の病理組織検査が重要】 MRIで唾液腺腫瘍と診断されていますが、小指頭大の腫瘍では腫瘍の性状を必ずしも正確に診断できません。ほかの画像検査でも同様です。口底部には唾液腺の嚢胞もできますが、これはMRIで鑑別できます。 最終的な診断は、腫瘍の病理組織検査が重要です。手術前に腫瘍の組織を一部採取して調べる方法もありますが、相談者のような小さな腫瘍では、一般に腫瘍の全摘出を行った後に詳しく調べることがしばしばあります。 腫瘍がきちんと摘出されれば局所麻酔でも全身麻酔でも問題ありませんが、局所麻酔では口を大きく開け、舌を側方によけながら手術を行うので患者さんの協力も重要です。局所麻酔は日帰りですが、全身麻酔でも術後の経過が良ければ短期間入院も可能です。 以上の点を踏まえて、主治医に率直に相談されてはいかがでしょうか。 ご感想・ご質問
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