2010年4月20日
多くの子どもたちが新たに学校生活を始めた。体育の授業や委員会活動などは全力で楽しみたいもの。ぜんそくを患う子どもたちは、どんな注意が必要なのだろうか。
国立成育医療研究センター病院アレルギー科の大矢幸弘医長によると、ぜんそくは、気管支に慢性の炎症が起きている状態で、「ゼーゼー」という呼吸音がしたり、呼吸が苦しくなったりを繰り返す病気だ。
子どもでも、特に乳児は気管の発達が未熟で、風邪などの感染症でも同様の症状が出ることがあり、診断が難しいという。
大矢さんは「感染症が治ってもゼーゼーが治まらなかったり、空気が冷たい場所や少しほこりっぽい場所などで、多くの人が反応していないのに、その子だけせきをしたりしていたら、疑わしい」と言う。
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小児ぜんそくと診断されたら、「家族の協力が治療に必要不可欠」と説明する。治療は薬物療法と環境整備、自己管理の三つが柱になる。
薬は、発作を起きにくくするための「長期管理薬」、発作時に気管支を広げる薬「発作治療薬」の2タイプがある。大矢さんは「苦しい時だけ薬を使いがちですが、発作がない時もきちんと長期管理薬で炎症を治すことが大切。自己判断で薬を止めないで」と呼びかける。
次に環境整備。ぜんそく悪化の誘因であるダニやほこり、カビ、ペットの毛などがない環境をつくる努力が必要になる。
三つ目が自己管理。大矢さんは「発作が起きやすい気候や、日常生活でどんな動作をすれば発作が起き、どういう動作なら起きないか、知ることが大事」と、家族に日誌をつけるよう勧める。「家族や本人が状態を把握すること。ぜんそくは管理できる病気です」
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家族の目から離れる学校では、どうすればいいか。
横浜市立みなと赤十字病院小児科の川野豊部長は「事前に担任の先生に話しておきましょう」。学校でほこりっぽい場所に行ったり、毛のある動物の飼育係になったりしないよう配慮してもらうことが必要だ。
体育の授業で運動をするとゼーゼーしてしまうようなら、薬の量が不十分である可能性もあるという。「治療の目標は、健常児と同じ水準の日常生活を送れるようにすること。同じようにできない場合、かかりつけの医師に相談を」と言う。
学校で発作が起きた場合の対処法も知っておきたい。発作が軽ければ、安静にして腹式呼吸をするなどの対応を。携帯用の薬吸入器を子どもが自分で使えるように教えておくことも、一つの方法だという。(ライター・奥島麻由美)
◆相談ナビ
日本小児アレルギー学会監修の「家族と専門医が一緒に作った小児ぜんそくハンドブック2008」(協和企画)は、患者やその家族の視点で治療法や学校生活上の注意点などが書かれている。日本アレルギー協会のホームページ(http://www.jaanet.org/patient/allergy)では、小児ぜんそくのセルフケアの方法などがイラスト・振り仮名つきで紹介されている。