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紙面から from Asahi Shimbun

【2011年の夏】
長崎・平和祈念式、菅首相あいさつ<要旨> 原爆66年 (2011年8月9日 夕刊)

 66年前の今日、長崎に原爆が投下され、7万人ともいわれる尊い命が一瞬にして失われた。この核兵器の惨禍を、人類は決して忘れてはならず、二度と繰り返してはならない。唯一の戦争被爆国として、究極的な核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け、日本国憲法を遵守(じゅんしゅ)し、非核三原則の堅持を誓う。
 長崎市では、市民が「平和案内人」として被爆の跡を修学旅行生にガイドしていると聞く。核軍縮の機運を高めていく上で、市民の皆様の熱意と関心は欠かせない。
 原爆症の認定を待っている方々を一日でも早く認定できるよう最善を尽くす。
 東日本大震災は、東京電力福島原発に極めて深刻な打撃を与えた。長崎からも県や市、長崎大の関係者による被ばく医療チームの派遣などの支援をいただいた。今なお多くの課題が残されており、全力で取り組む。
 我が国のエネルギー政策も、白紙からの見直しを進めている。私は原子力について、これまでの安全確保の規制や体制のあり方を深く反省し、事故原因の徹底検証と安全性確保の抜本対策を講じるとともに、原発への依存度を引き下げ、「原発に依存しない社会」を目指す。
 私は昨年、この式典で「パグウォッシュ会議」に触れた。人類に役立つべき科学技術が、核兵器を生み出したという矛盾に、アインシュタイン博士や湯川博士らが心を痛め、核兵器廃絶を訴える行動を起こすきっかけとなったこの会議が、私が政治を志すきっかけの一つとなった。科学技術は、真に人類の生存や幸福に役立つものでなければならない。この初心は今も変わらない。核兵器による惨禍が二度と繰り返されないよう全力で取り組むことを誓う。

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