ここから本文エリア

【2012年の夏】
浪江町長が参列 広島、きょう原爆の日
(2012年8月6日 朝刊)
広島は6日、米国の原爆投下から67年の「原爆の日」を迎える。午前8時から広島市中区の平和記念公園で平和記念式がある。
被爆者の平均年齢は78歳を超えた。式には、71カ国の外国代表や欧州連合が参加する。米国は3年連続の参加となり、核保有国の英国とフランスの駐日大使が初めて式典に出席する。ロシアや事実上の保有国イスラエルも参列する。
また、東京電力福島第一原発の事故で立ち入り禁止の「警戒区域」などとなった福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長も式に初参加する。放射線との闘いが今も続く中、馬場町長は5日、取材に「広島が再生したエネルギーはどこにあったのかを知りたい」と目的を説明した。
事故直後、国から避難のための正確な情報が伝えられず、放射線量の高い地域へ住人が避難。「無用な被曝(ひばく)をさせてしまった」と悔やむ。約2万1千人の住人は、今も各地に避難したまま。1960年代に持ち上がった原発建設計画も、昨年12月の町議会で誘致決議撤回となり、自身も「原発は即廃止」と考えるようになった。
原爆による被爆と原発事故による低線量被曝は状況は異なるが、放射線による苦しみは同じとしている。
「核兵器を無くすことや、原発の危険性を危惧されてきたみなさんの活動の価値を、改めて痛感しております」。原水爆禁止日本協議会(原水協)などが開いている6日の世界大会で、こう語るつもりだ。