ここから本文エリア

【2012年の夏】
被爆の記憶託す 次世代の語り部に養成 広島原爆投下67年
(2012年8月6日 夕刊)
広島に原爆が投下されて67年。「生き証人」の被爆者も全国の平均年齢が78・1歳と高齢化が進む。広島市は今年度から、語り部を若い世代に引き継ぐ事業を始めた。被爆体験のない世代に被爆者の記憶を引き継いでもらい、3年間かけて語り部に養成する。
事業には全国から、19〜78歳の137人が応募した。平和記念資料館に登録されている語り部のうち23人の被爆体験が伝承される。7月から本格的な研修が始まり、学識者から原爆投下の時代背景や被害の実相を学んだり、アナウンサーから話し方を教わったりしている。受講者の一人は「どこまで伝えられるか不安もあるけど、3年間がんばります」。
被爆体験を受け継ぐ若者と、高齢の語り部たち。忘れてはならない「過ち」を、世代を超えて未来へ伝えようとする姿を写真で追った。
(小玉重隆)