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紙面から from Asahi Shimbun

【2013年の夏】
「ゲン」を世界へ、絵本に宿る遺志 英語併記で新装 (2013年7月27日 朝刊)

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 昨年12月に亡くなった漫画家、中沢啓治さんの被爆体験をもとにした代表作「はだしのゲン」の絵本版が、英語と日本語の併記で新装され、29日に発売される。

 絵本は、ゲンの父が戦争反対を唱えて非国民と呼ばれた場面や、原爆投下時の惨状、残されたゲンと母、妹の3人で生き続けようとするまでを描く。

 絵本版は1980年、汐文社(ちょうぶんしゃ)から出版。今回の「新装・英日版 絵本はだしのゲン」(ディノボックス、税込み1680円)はストーリーは同じだが、原画に近づけた濃い色合いを出し、中3程度のレベルで読める英語の文章を付けた。

 中沢さんの妻ミサヨさん(70)によると、2年前に知人の翻訳者から絵本制作を提案された中沢さんは「絵本は漫画よりも手に取りやすい。世界の子どもたちにゲンを広く伝えられる」と喜び、準備を進めていたという。

 書籍流通大手も販売に協力し、米国の書店にも並ぶという。制作に協力した映画プロデューサー、渡部久仁子さん(32)は「中沢さんの遺作とも言える本。日本の人にも読み応えがあると思う」と話す。(後藤洋平)

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