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紙面から from Asahi Shimbun

【2014年の夏】
(核といのちを考える 遺す)体に染みこむ恐怖、次代へ (2014年8月1日 朝刊)

 広島と長崎に原爆が落とされてから6日、9日で69年。被爆者はどんな記憶と次代へのメッセージを遺(のこ)そうとしているのか。当時20歳以上だった人の言葉に耳を傾けると、「核の非人道性」が改めて浮き彫りになる。

 成人だった人たちは様々な立場で被爆した。看護婦は「ガーゼを替えるとウジ虫がわいていた。救える命は少なかった」(福岡県の石橋ヨソノさん、90歳、被爆地・広島)と証言。あまりに多くの人を一瞬のうちに殺傷する核兵器のむごさを指摘する。

 核兵器がもたらす壮絶な光景の記憶と放射線への恐怖は、被爆者を長く苦しめた。軍人は「水を求めるうめき声が耳から離れなかった」(佐賀県の岸川巖〈いわお〉さん、89歳、被爆地・長崎)とし、学校職員は「悪夢と健康不安、差別を背負って生きてきた」(神奈川県の樫村従子〈よりこ〉さん、90歳、同・広島)と振り返る。

 取材に応じた被爆者は朝日新聞デジタルの「広島・長崎の記憶〜被爆者からのメッセージ」の掲載者。被爆時に成人だった334人のうち連絡先がわかり、面談やアンケート用紙のやり取りを通じて計71人が主な質問に答えた。

 原発再稼働には52人が反対か否定的だった。集団的自衛権の行使を認めることに対しても51人が反対を明言。陸軍通信兵は「海外の戦争に関われば攻撃される対象になる」(大分県の鱧永〈はもなが〉秀一さん、89歳、被爆地・広島)と語った。

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