english

ここから本文エリア

紙面から from Asahi Shimbun

【2016年】
被爆者参加、廃絶訴え 核軍縮部会(2016年2月23日 夕刊)

写真 発言する藤森さん(左)と、朝長さん=22日、ジュネーブ、松尾一郎撮影

 核軍縮作業部会の初会合で、日本から参加した被爆者が「核兵器不使用を保証できるのは核兵器廃絶以外にない」と各国の代表団に訴えた。

 発言したのは、広島で1歳4カ月で被爆した日本原水爆被害者団体協議会事務局次長の藤森俊希さん(71)。日本語で発言した後、英語に訳した藤森さんのメッセージを日赤長崎原爆病院の朝長万左男名誉院長(72)が代理で読み上げた。

 藤森さんは「被爆体験を聞いた世界の人々から、しばしば『報復を考えなかったのか』と質問を受ける。答えは『ノー』。すべての国の人々に被爆者と同じ苦しみをさせてはならない」と強調した。

 会合後、藤森さんは「最後の力を振り絞って地球上から核兵器をなくそうという思いで来た」と話した。

 藤森さんは、爆心地から2・3キロで母親とともに被爆した。一方、学徒動員されて爆心地近くにいた姉は遺体も見つからなかったという。

 ■核禁止条約に慎重意見 日本、軍縮部会で表明

 スイス・ジュネーブで始まった国連の核軍縮作業部会で22日、日本政府は核兵器禁止条約の交渉について、時期尚早との慎重な態度を表明した。

 核保有国は作業部会を欠席。佐野利男軍縮大使は作業部会で発言を求め、「いくつか(の国々)が核兵器の法的禁止に向けた即時の交渉開始を提案しているが、現在の安全保障環境を見渡せば、我々はそういう法的な手段の協議を核保有国を交えて始める段階にはまだ至っていない」と述べた。

 会合終了後、佐野大使は報道陣に、「先般の北朝鮮の核実験、弾道ミサイルの発射など安全保障環境が厳しくなってくる中で、核軍縮を注意深く進めていく必要がある。我々は核保有国も含めた国際社会が一致した形で核軍縮を進めるというのが効果的な核軍縮だと考えている。我々の立場を理解してもらうべく議論に参加していきたいと思う」と、核保有国と非保有国の橋渡し役を務める意向を改めて示した。

 (ジュネーブ=松尾一郎)