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国宝 法隆寺金堂展
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堀辰雄(1904〜53)

写真

(2008年7月3日)

 41年10月に奈良を訪ねた。「あの虚子の『斑鳩物語』に出てくる、古い、なつかしい宿屋に上がって、そこで半日ほど小説を考えてくるつもりだ」。前年に始まった金堂壁画の模写作業を見る。模写を機に、実用化されたばかりの蛍光灯が堂内を照らしていた。「いまにも此(こ)の世から消えゆこうとしている古代の痕(あと)をこうやって必死になってその儘(まま)に残そうとしている人たちの仕事に切ないほどの感動をおぼえた」。この一文は後に「大和路・信濃路」に収められる。


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