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天野彰のいい家いい家族
プロフィールバックナンバー
秋田市御所野住宅都市と角館の屋敷(1)

 台風6号に前線が刺激され、どしゃ降りの中、秋田の地域公団開発の御所野(ごしょの)ニュータウンの住宅地と、まったくその正反対の古都、角館(かくのだて)の旧屋敷群を見てきました。

 秋田新幹線で1時間もしないところにあるこの新旧両住宅地の町の形成とその屋敷や民家の相違点や、意外な類似点を見て、久しぶりに興奮しました。地方の新興住宅地とは言え、現代の最先端の手法を試みた御所野の街づくりの設定は意外な効果を醸しだしていたのです。しかもその設定は遠くはるか江戸時代の屋敷群の街づくりの設定となぜか似ているのです。

●街路の軸に沿って各家に与えられた義務?マナー?

 「誘い水」と言ってはなんですが、この御所野の街づくりには人々が住むための魅力つくりと、巧妙な“仕掛け”が施されているのです。都市計画を行うにはまず中心軸となる街路や公園さらには学校や商店街など、いわば住居が張り付くための「止まり木」となるような基幹をつくります。

 しかし秋田市のような古い地方都市の場合、城または寺などを中心とした街道沿いに商店や旅籠(はたご)が張り付き、まさに「街道の街」が形成され、さらにそこに民家が張り付いて街ができるのです。

 そして近年になって鉄道が敷設され駅ができると、さらに今度は駅前商店街ができその周辺が街となるのです。しかし当時は蒸気機関車であったため、鉄道駅はその煙やほこりで敬遠され、旧市街から離れた位置に駅ができることが多く、そのため旧街道商店街と駅前商店街の二つの商店街が張り合うように街ができている場合が多いのです。

 ところが、さらに最近は車が発達し、車による移動が多くなり、旧商店街や駅前商店街は駐車場が少なく、郊外沿道型の商店や量販店が発達し街はどんどん拡散し、街の中心は空洞化し、寂れることが多いのです。そこで拡散する沿道に対し、この御所野はなんと大型の量販店を誘致し、まさにショッピングセンターを中心に新住宅都市をつくっているのです。

 しかも住宅街は郊外型らしい、いろいろな試みが行われ、小川に沿って町をつくり、住宅街の歩道に沿って幅1メートルほどの宅地内緑地を設け(写真1)、そこに草花や植木を植えることを奨励する、などといった巧妙な手法が取られているのです。これによって、わが家がバラ園のようになり(写真2)、さらには緑に囲まれ東屋(あずまや)(写真3)などのある優雅な住宅街となっているのです。

 さらに公園にはこのスペースを利用し、鳥除けの網かご式のごみ収集場を設ける(写真4)など感心させられることが多いのです。角館に見る、城下町の広い街道と深い溝、粋な黒塀に統一され、そこに各戸が枝垂(しだれ)の桜をかんざしのように飾る――など、優雅で美しい街づくりにヒントを見たのです。その角館の各屋敷の妙については次回に……。


(写真1)

(写真2)

(写真3)

(写真4)

             ◇

 前回の「同居」についての話の中で、「親娘、嫁姑一つの台所に二つのキッチン(流し)」の例に見る、どうせ同居するなら積極敵にという考えに、多くの方から賛否を含め、いろいろな意見をちょうだいいたしました。ありがとうございました。

 確かに同居は一言では語れません。1組の夫婦でさえいろいろな家族形態があるように、同居はさらにそれが2組となるのです。同居の住まいに何が必要で、どんな手法があるかなど改めて考えさせられ、いろいろ試みるのですが、果たしてどれが正解かは分かりません。ただ同居が不安ならあえて近くに中途半端に住むより、まったく別に住む方が良いと言う意見は多く聞きます。上下二世帯住宅など、互いの意識だけが通ってかえって親子の関係が悪化するとも聞きます。

 だからべったりか?と言うことですが、今度は嫁や婿殿の実家や友人などとの関係が悪くなるとも……。この「同居」については、さらに機会あるごとにお話をいたします。どしどしご意見やアイデアなどをお知らせください。 (2004/06/30)



(天野さんへのご質問、ご意見はinfo@amanoakira.comへ)




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