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天野彰のいい家いい家族
プロフィールバックナンバー
地震、火災そして老後、いざと言う時それは「意識」です

 マンションの火災やビルが傾くほどの大地震のとき、どうしたら逃げられるでしょうか? それは常日頃からの「生きようとする意識」です。

 「ウオーターフロントの高層マンション暮らしです。景色が良く、都心にも近くて快適ですが、先日の地震時の津波や台風による高潮などの被害にあったり、新宿・歌舞伎町のビル火災や阪神・淡路大震災のようにビルが傾くほどの地震や、まさかと思うのですがテロなどが起こったりした時に備え、いったい何を用意したら良いのでしょう。また私自身、老いて足が不自由でもあり、そのときエレベーターが使えなかったらどのように避難したら良いのでしょうか 」(68歳・会社役員=東京都在住=ほか)

 最近、こうしたせっぱ詰まったご相談が多いのです。もちろん当方も何とかお答えしようと必死で頑張るのですが、この「災害・停電・高層そして高齢」と言うのはまことに息が詰まりそうなのです。今日はちょっとシリアスなお話ですが、これも都市と高層階に住む人の防災意識と日頃の避難訓練の無さが原因の不安なのです。実際、9月1日の「防災の日」に、防災の意識が全国各地で如実に低下していると言われています。

 都市の災害は、震災や火災、そしてあの忌まわしいニューヨークの超高層ビルの例など、一体何が起こるか分からない世の中です。しかし、その中でも助かった人と亡くなった人との間には、如実な差があります。その例から災害時の生き残りの心得(?)を5点ほどお話しします。

 まず第1は、危ない所へ行かないことです。繁華街の密集地にある不可思議な雑居ビルにはよほどの地の利と逃げ道に精通していない限り、近寄らないほうが懸命です。ましてや、わが住みかを安全な場所に置くことも当然のことで、埋め立て地などは都心でも地価は安く景色も良いのですが、地盤が軟弱で避難ルートの橋が落ちるかもしれない危険や、液状化現象や高潮などによる思わぬ出水に対する注意が必要です。いくらウオーターフロントばやりでも、複数の逃げ道をチェックし、孤島になりそうな所は避けるべきです。

 第2は長期戦に備えることです。高層住宅の建物本体は安定地盤にまで基礎を下ろしていてすぐには倒壊しませんが、エレベーターは地震や火災の際は動かず、非常電源も2〜3時間ぐらいまでしか持たないと心得ましょう。懐中電灯やろうそく、飲み水などを日頃から大量に用意しておくことです。特に高齢の人や足の不自由な人は、高層階に住んだら助けが来るまで相当の時間がかかるものと心得て、救助が来るまでやエレベーターが動くまでのため、多くの非常食や医薬品などを用意することです。そして管理人や同じ階の人たちに、高齢住まいであることを知らせておきます。

 第3は日頃からの防災意識です。まず何が起こっても階段で逃げること。エレベーターが途中で止まって閉じ込められ、火炎に包まれたら大変です。建物の外にある階段を含め、2通り以上の避難ルートのチェックが必要です。第4はベランダ。階段や廊下がダメなとき、ベランダが最後の避難ルートとなります。破れやすいスレート板で仕切られた隣との隔壁を破って隣に逃げるのです。ベランダにはハッチがあり、その中に縄ばしごが入っています。その上に洗濯機や物置などの障害物が置かれていないか、日頃から注意が必要です。

 そして第5は防塵(ぼうじん)マスクやヘルメット、非常品の入ったリュックやスニーカーなどをそろえ、それを1度身につけてください。そう、「生き残るための想像」をするのです! そして1度は避難階段を自分の足で下り、自分が居る「高層さ」を体感することも大切です。あの3千人もの被害者を出した不可抗力とも言える80階以上から、1時間かけて逃げ出した人も大勢いるのです!

 災害時に限らず、「防災の姿勢」は誰にでも訪れる高齢生活での「生きる姿勢」と似ています。「高齢生活と防災」についての具体的マニュアルが望まれています。

            ◇

 9月17日(金)午後9時からNHK教育テレビ「暮らしQ&A」で、バリアフリー・リフォームについてお話しします。私が長年取り組んでいます「ホームナーシングユニット」(生活自立支援装置)も登場予定です。ぜひご覧になってください。 http://www.nhk.or.jp/partner/

 また、多くのご応募をいただきました拙著「地震に勝つ家・負ける家」を、さらに数冊用意いたしました。ご意見と共にどうぞ。

私の事務所に設置された生活自立支援装置
(2004/09/12)


(天野さんへのご質問、ご意見はinfo@amanoakira.comへ)




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