| リフォームが危ない!夫たちの英知を
「エッ、なに?なに? この金額?」と奥さん。
「いや、床をはがしたときに大引きや根太が腐っていたから全部やり替えですよ。言いましたでしょ? それに床暖房のために給湯ボイラーを新設しようとしたら配管が全部駄目で1からやりなおしですよ! これでも勉強した値段ですよ! ご主人だって、ご存じですよ」
「うーん……?」とご主人。
このリフォームにはほとんど関係していないご主人の名まで飛び出し、当初の倍ほどの請求書の説明をするリフォーム工事店。確かに今まで給湯のお湯の出が悪く、しかも床下の排水も悪く、漏って腐っていたような気がするが、「奥さん土台から直しておきました」の言葉にサービスしてくれたように思っていたのです。それにしても当初の倍とは!と、釈然としない奥さん。
大手電機会社や電気やガス会社のカタログを持って、なにやらその関連会社らしいコピーのパンフレットで設備機器点検やクリーニングサービスを口実にリフォームを勧め、そうこうしている間に勝手に図面と見積書を持ってきて、しかも目の前で2割も値引くなど巧妙な手口で仮契約させ、ある日突然工事に来る。
そこで、試しに水周りの一部を修繕してもらうような工事を依頼し、たまたまそれが迅速かつ割安な修繕費だったりすると、ついうっかり信用して全部を頼んでしまう……。その結果が、さきの“倍”の話となるのです。
●住まいを改善して快適な生活をする。子どもたちにとっても住まいのリフォームは夢なのに……
最近、私の事務所にもこうした苦情相談が多く、ときにリフォーム会社の人に直接会って事情を聴いたりしますと、意外にも本当におかしな人たちではなさそうで、ちゃんとした工務店だったり、元水道工事店だったりなど、とても詐欺まがいのことをするような人とは思えません。奥さんが信用されるのも無理はない人たちなのです。
ではなぜ“倍”なのか? まさに説明不足なのです。しかも控えめに言う内容が相手に誤解を与え、つい言いにくい説明は省いてしまう。そして、こうした完成引き渡しの時のトラブルとなるのです。まさしくお客様とのインフォームド・コンセントの不足なのです。
もちろん本当に悪質な業者もいるようで、工事費を払った途端に来ないとか、よその見積書で契約するなどと言う例もあるといいます。大手企業の名をかたったり、押し売り的な商法で恐喝まがいに契約を迫ったりする悪質な業者もいるといいますから、家に上げる前に、その素性や資料をよく確かめる必要があります。
まあ、その意味からも、大きな施工費で大きく損をする前に、あるいは疑心暗鬼となって気分の悪い思いをする前に、とりあえず勇気を持って近所の設計事務所を訪ね、その見積書だけでもみてもらい、やるべきことをはっきりすべきなのです。
建築や家は「1個いくら」で買うものではありません。共通したきちっとした設計図があって、それを持って数社に見積もりをしてもらい、その金額と中身を確かめ、家族と直接会ってその相性までも確かめるのです。建てることから住んでまでと、長いお付き合いとなるからです。その中から納得できる廉価で安心できる施工者を選ぶのです。
こうした多くの人々のために、建築家は町の診療所の医師のようにもっと広く門戸を開き、リフォームといえどもその英知を生かして設計監理をお手伝いし、大いに役立って欲しいとつくづく思うのです。
12月3日は「妻の日」だそうです。サンクスギビングではないのでしょうが、感謝を表す3の「サンクス」(Thanks)の語呂合わせのようで、凸版印刷が1995(平成7)年に制定したといいます。じゃあ、なんで12月かというと、1年の最後の月に1年間の労をねぎらい、妻に感謝する日なのです。日本記念日協会認定の記念日だそうですが、ご存じでしたか?
さあ、そこで世の“夫”の皆さん。奥さんにすべてを押し付けないで、英知を発揮して大いにリフォームの手助けをしてあげようではありませんか。
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はがして分かる壁と天井裏の構造の全容
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築20年の浴室の構造。状態は比較的良い
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(2004/12/05)
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