今年を総くくりにして漢字の一文字に記せば「災」と、清水寺の森管主は書き表しました。なるほど水害そして台風、さらには直下型の中越地震、その締めくくりとなるような大型の低気圧による突風と、息つく暇もなく災害が訪れました。そして今は暖冬です。
自然の災害には他ならないのですが、何か人為的とさえ思えそうなほど、わが国や全世界的な規模で災害が起こっているようです。まさしく家内安全天地平穏を祈願したい心境に駆られますが……。 なんと、今度は政府の中央防災会議の「首都直下地震対策専門調査会」が、東京都各区部の直下で大地震が起きた場合の各地の揺れを細かく分析した「震度分布図」を作り、それぞれのケースの死者数、建物の全倒壊軒数、火災件数といった被害想定を地図上に著し発表しました。
中でも東京湾北部地震(M7.3)をはじめとする都心東部あるいは西部直下(いずれもM6.9)がひどく、死者は1万1000人を超え、全壊家屋は16万から19万戸に及ぶというのです。その主な原因は家屋の倒壊による火災で、50万棟から60万棟になると想定されています。
想定される18通りの震源地による揺れや被害は「中央防災会議」のホームページでご覧になれます。
東京はプレートのひずみによる震源地が遠く深い海溝型の地震ばかりが想定されてきましたが、その地下でも無数の岩盤がぶつかり合って、さらに活断層などもあり、直下型の可能性も高いのです。想定の中で発生の可能性が高く被害が大きいのは「東京湾北部地震」で、冬の午後6時、風速15メートルの強風時に発生するとなんと建物の85万棟が被害を受けると見られています。
こうした具体的な揺れや被害想定を前に、建物の耐震強化と防火対策、さらには避難ルートの確保などさらに実質的な対策を急ぐ必要があるのです。
リフォームなどの際に、柱と梁を内外から構造用合板で裏打ちするだけで従来の筋交いの数倍の強度を持たすなどの対策や、置き家具をすべて床から天井までの壁面収納にするだけで、家具の転倒はもとより物が飛び出ず、ひいては建物本体の補強さえ可能なのです。
ともあれ来春はこうした災いの少ないよい年にしてほしいものですね。
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本コラムは年内は今回でおしまいです。新しい年も本年と同様、どうぞよろしくお願いいたします。