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A&VシアターのリビングI邸 |
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まぶしい緑の神宮菖蒲苑 |
5月の今週は、五月晴れのこどもの日を中心とする長い休みのゴールデンウイークが終わって気候がやや不順になってきました。暑い日と肌寒い日、からっとした日と先週末のように梅雨時のようなうっとうしい日などと七変化します。欧州でも同じような天候なのでしょうか。5月15日を「聖ソフィアの日」といい、天候の変化に人々の健康を守る聖女ソフィアをまつり、5月の寒暖の激しさに体調を崩さないように祈る日だそうです。
寒暖と言えばわが国では寒暖計と呼ばれる水銀温度計ですが、偶然にも前日の5月14日が「温度計の日」です。発明者のドイツの物理学者、ガブリエル・ファーレンハイトが生まれた日にちなんでいるようです。ちなみに彼のイニシャルのFが欧米での単位となり、「華氏」という単位は彼の中国名「華倫海」からつけられたといいます。これほど毎日温度計を見る季節も珍しく、今日は長袖、明日は半袖と着るものまで忙しいのです。
この時期わが国ではまさしく葵祭の季節で、15日は京都下鴨神社および上賀茂神社の祭日です。古来、祭といえば、葵祭のことを言ったほどで、冠や牛車、桟敷の御簾(ぎょれん)を葵鬘(あおいかずら)で飾ることからその名が付いたそうです。斎王代・勅使らが装束をつけ御所から下鴨・上賀茂と行列してめぐる静かで優雅な祭りです。その風情は京の若葉の街と、この季節にぴったりと合っています。東京では5月第2土曜日が「東京都みどりの日」で、緑まぶしい気持ちのよい季節でもあるのです。
そこで、私のコラムで大切なテーマのひとつである“健康”ですが、たまたま私自身が巻き込まれた交通事故の後遺症? の経験もあり、恥を忍んで申し上げます。このことは数年前にもお話ししましたが、路肩に車を停車したところをトラックに後ろから引っかけられたという感じの事故でした。私が横を向いていたことと、シートベルトをしていたことで大事には至らなかったのですが、左の耳を思い切りシートにたたかれた感じでしばらく聴えなかったのです。ただ、それも2、3日で治ってほっとしました。
ところが、数日後にコンサートに行き、いつもの癖でホールの音響を確かめながら集中して聴いていたところ何か変なのです。雑音が入るというか、音が変に反響したりこもったりするのです。集中すればするほど治まらず、しばらくすると耳鳴りがし始めました。そのことを意識すると今度はめまいさえも起こるのです。ついには素晴らしい演奏が騒音となり、やむなく席を立ってしまいました。
次の日病院に行っていろいろと調べたのですが、鼓膜や三半規管(さんはんきかん)、脳も異常なしという診断でした。医師からは「老化じゃないですか?」と言われました。とんでもない! こんなに楽しみのオーディオやコンサートを聴けなくなったらこの先いったいどうするのだと思うと、居ても立ってもいられなくなって気力が一気に低下するのを覚えました。
その後、家の者に気づかれないようにマッサージをしたり、めまいをこらえてスピーカーを左右に置き、必死で聴くリハビリテーションをしたりしたのです。この時ほど“老いる”ということはこんなことなのかとひそかに感じたのです。
次第に耳が遠くなり、目が不自由になり足元が心もとなくなる……。もちろん気力や体力も低下する……。こうして失われていく能力や体力に対処した家にしなくてはいけない! シックハウスや段差を取るだけが健康住宅ではなく、老いに対処することこそが“健康な家”と改めて自覚しました。そして、そればかりではなく、次第に失われていく“楽しみ”を今いっぱい“味わい楽しむ”ことに専念することも大切なのです。
緑いっぱいの明治神宮の若葉を堪能してきました。まだ菖蒲(ショウブ)はつぼみが膨らんだところですが、まぶしいほどの緑がとてもうれしいのです。しかし、この美しい緑をいつまで堪能できるものか? と思うとますます一日一日を大切にむさぼるように味わいたくなるのです。