 がむしゃら家づくり(2) 家相なんて?!
2006年11月05日
身分不相応な土地を買ってしまったために、「早く家を建てて、住宅金融公庫や住宅ローンを借りなければならない」と言う羽目となり、その肝心の建築資金はリフォームしたばかりの住んでいたマンションが売れたら支払うという、まるで綱渡りのようなむちゃくちゃな私の家づくりが始まったのです。
 みるみる建ち上がって行くわが家
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 神妙にお祓いをする父子
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それでも予算が到底間に合わないために、とりあえず鉄筋コンクリートで躯体(くたい=家の外殻)だけを造り、そこに住む覚悟でした。今考えればまさしく若さゆえのことでしたが、そんなことを家内や親たちは知るはずもなく、ただ「大丈夫?」と言うだけでした。
秀吉の一夜城ではないですが、なせば成る何事も!で、実際にはその後いろいろな援助もあり、大工さんもこちらの意欲に負け、協力して(哀れんで?)くれ、何とかなったのです。本音を言うと、家族はただただあきれていました。
その後コンクリートは順調に打ち込まれ、夏の盛りには何とか外形ができて来たころのことでした。家内がプールで思わぬけがをしたのです。外傷もなく我慢強い人で、病院に担ぎ込んだときは意識がもうろうとするほどに内出血がひどく、一命を失いかねないほどの大けがでした。ちょうど家づくりの途中でもあり、親たちが家相が悪いんじゃないか、などと言い出し、「まさか」と “新進気鋭”の建築家としては強がったものの、子どもたちを実家に預け1人になると何となく気になり、それまでに信頼していた1人の家相家(方位学者)に相談をしたのです。
実はそれまでも家相を気にされる建て主が多く、こちらもそれに対抗すべくできるだけ多くの家相家に会い、東西の家相家の意見の違いや見方などを集めていたこともあり、わが家も一応の障りが無いようにこっそり設計していて、自信はあったのです。が、なるほどこうも自分が弱気になると、さすがに不安になりました。
「イヤ、特にこれといった障りはないですよ」と言われひとまず安心したものの、「この土地に井戸か池はありませんか」と尋ねられてぎょっとしたのです。しかも鬼門の方位にないかと言うのです。急ぎ帰って大工さんに聞き、土砂を片付けて驚きました。なるほど元の屋敷の中ほど、つまり私が選んだ三つに分けた真ん中の土地のちょうど鬼門に相当するところに井戸がありました。それも旧屋敷を解体するときにガラや土砂を無造作に埋めていたのです。
さっそくきれいにさらい、息抜きを設け、神妙にお祓(はら)いをしてもらいました。井戸がちょうど隣との地境にあったため、相談し息抜きのパイプを方位的に障りのない隣側に上げさせていただいたのです。その後家内は順調に回復し元気になりました。
近代建築家であるはずの私自身が今なぜこのような事実を明かすかというと、私自身が最高に弱気になったその時、なにか不思議な力が働いたように思えたのです。つまり弱い自分になったときにはじめて本当に“家相がある”と感じたのです。従って何かあって、周りからそう言われると、どんなに合理的で若い建て主でも“家相の存在”を実感することになるのです。
そのお陰かどうか、その後マンションが良い値段で売れ、家ができていないために引っ越しができず。マンションの引き渡しを3カ月間延ばしてもらうなど大変なことになるのです。
恥ずかしながら次回も引き続き私の「がむしゃらな家づくり」をお話したいと思います。
ここで読者の皆さまにテレビ放送のお知らせです。今の家を建て替えるかリフォームするかお迷いになる方は多いと思います。そこで「壊すか?生かすか?わが住まい」について11日土曜午前9時からNHK総合テレビの『家計診断 おすすめ悠々ライフ』で、「建て替えVSリフォーム」と題して、実例と実際のお悩みの方を交えながら検証します。土曜の朝ですがご覧下さい。
多くの家相家の意見から私が作った家相盤
天野 彰(あまの・あきら)
岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。
「日本住改善委員会」(相談窓口・東京都渋谷区松涛1-5-1/TEL03-3469-1338)を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国に精力的に行っている。その実業務からTV・新聞・雑誌などで広く発言。元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任する。
著書には、新刊『地震から生き延びることは愛』(文藝春秋)、『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)、新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社 実用BOOK)など多数がある。
天野さんへのご質問、ご意見は、[天野さんのホームページ ]から。

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