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「天野彰のいい家いい家族」

おなじみわが家のステーキハウス

2007年03月25日

 「囲炉裏ダイニング」は私の造語で、わが国の、いや人類の原始時代からのダイニング、そして「だんらん」の形なのです。考えてみれば私が生まれてはじめて住宅の設計をお手伝いした大分県臼杵市の小手川さんのお宅(1964年)など、まさしく暖炉でありながら、そのフードの支えに開けた穴に大きな串を通し、魚や肉を刺して丸焼きにするのです。それをワイルドに家族で奪い合いながら、かじって食べていたものです。おかげで3人の子どもたちはみんなそれぞれにたくましく力強く育ったようです。

写真大分県臼杵市の小手川邸暖炉。設計後欧州に行き、帰ってからデザインしたもの
写真わが家のステーキハウス。いかがですか私のコテさばきは?
写真普段は私の書斎。手前が鉄板のガラスのフタ
イラストわが家のリフォームプラン。KとDの壁を壊し、ジャンボテーブルに。手前が鍋、中が鉄板、さらに奥がシンク

 そこで、毎度おなじみ、現代版囲炉裏「わが家のステーキハウス」です。実はこれは私の長年の夢で、この提案はずーと昔からしてきて、あちこちの住まいの設計で試みたもののかないませんでした。お陰で鉄板焼きが大好きとなり、鉄板焼き屋に行くと、焼き方やタレ、さらには肉の厚さや種類などを研究しました。ついにわが家の築15年のリフォームの際、ダイニングキッチンを大改造し、すべてテーブル、すなわちジャンボテーブルとし、そこに24ミリ厚の鉄板を購入してはめ込み、本当にステーキハウスで使われているプロのコンロを用いて本格的ステーキハウスにしたのです。

 この大きなテーブル、鉄板だけに飽き足らず、テーブルの端の方に丸い穴を開けてコンロを内蔵し6人ほどが囲める鍋コーナーとしたのです。普段はなにかあると、すき焼きやしゃぶしゃぶをこのコーナーでしています。なるほど冬は鍋が一番で、気楽で簡単です。

 この自前のコンロは鍋がテーブルに埋まってちょうどよい高さとなり、取りやすくしかも危なくないのです。特に小さい子どもがいるときは、テーブルの上に置いたカセットコンロの鍋は熱いしぶきが飛んだり、運悪く鍋をひっくり返したりしたときなどは大やけどを負いかねません。

 しかし、このステーキハウスの鉄板の欠点は、においを取るための後片付けが大変で、コンロの掃除など、重い鉄板を1人ではとても持ち上げられず、長男と一緒に汗だくです。しかし、今思えば、こうしたことが子どもたちには良かったのかも知れません。まさしく「住育」だったかもしれませんね。まだその結果は分かりませんが……。

 で、普段はこの鉄板の上にガラスのカバーを敷いて、私の“書斎”となって、今もこの原稿を書いているのです。結果、ここが私の席、つまりコックの席で、家長のいすとなったのです。ちょっと焼き肉臭いのですが……。

 今まさにすべての生活を見直し、改めて原始の生活を思い出し、原点にもどって自身の住まいを考えるときかもしれませんね。そこで次回は「ジャンボテーブルお料理教室」についてお話ししたいと思います。

     ◇

 引き続き「住まいの健康と安全を創る会」(住健創)では、「住育」をテーマにメンバーとご意見を募っています。海外からも建築家など専門家の皆様のご参加をいただいています。私のホームページからどうぞ。

プロフィール

顔写真 天野彰(あまの・あきら)

 岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 「日本住改善委員会」(相談窓口・東京都渋谷区松涛1-5-1/TEL03-3469-1338)を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国に精力的に行っている。その実業務からTV・新聞・雑誌などで広く発言。元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任する。

 著書には、新刊『地震から生き延びることは愛』(文藝春秋)、『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)、新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社 実用BOOK)など多数がある。

 天野さんへのご質問、ご意見は、[天野さんのホームページ別ウインドウで開きます]から。


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