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「天野彰のいい家いい家族」

屋根裏収納に階段をつけて物干し場にも

2007年11月11日

 家づくりやリフォームの際、どなたも「収納、シューノー!」と、あたかも収納のために家をつくるような感じです。収納は多ければ多いほど嬉しいようですが、実際に家が完成すると、肝心の収納をなかなか上手に使えていないようです。とくに床下収納や手の届かない収納は使いにくいこともあって、ほとんどが空のままです。

イラスト

階段をロフトまで延長しそこに物干し場や書斎をつくる

写真

2階吹き抜けの「物干し場」。洗濯物が見える

 なかでも屋根裏(小屋裏)収納を求める方も多くいます。しかし、一体そこに何を入れるのか? いずれ老いてこの60センチにも満たない、狭く急なはしごの上り下りができるでしょうか? しかも物を持ってできるのでしょうか? 前回お話しした床下収納同様、危険な収納のひとつです。

 その昔、若いときに収納したものでも、老いた今では取りに上がるのも面倒です。探し出した物を持って降りようにも、老いた夫婦では危なくて無理です。結局、なす術もなく、すべてが死蔵され、次第にそこに何が収納されているのかすら分からなくなってしまいます。こんな状態で大きな地震でも来たら、物が天井を突き破って落ちてくるかもしれません。

 どうしても小屋裏収納(ロフト)をつくるなら、小屋裏の梁(はり)を補強し、さらに根太(ねだ)も3〜40センチ間隔でしっかり入れ、床を張ります。くれぐれも今の天井裏に直(じか)に乗ったり、物をのせないようにしてください。

 こうして、イラストのように2階までの階段をさらに延長し、そこまで物を持って上ることができるようにします。階段の上が天井までの吹き抜け空間になっていれば良いのですが、そうでなければ押入れなどをつぶしてでもこの階段をつくりましょう。もちろん、最上階までは屋根の高さがないので、途中から天井に頭が当たることになりますが、それでも階段の方が不安感もなく、幅も広く、物の出し入れも楽になります。これならもう落ちる心配もありません。多少は急な階段にしても安全で、その分踊り場を広くしましょう。

 その踊り場に机を置けば 「書斎」としても活用でき、スペースの有効利用になります。冬は家の熱気がそこに上がってきて暖かく、さらに風穴のような窓を設けると風がよく通ります。踊り場の上は、写真のように物干し場に最適な空間にもなります。

 次回は60歳から、いやいや77歳で家を建てる(?)お話をします。

プロフィール

顔写真 天野彰(あまの・あきら)

 岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 「日本住改善委員会」(相談窓口・東京都渋谷区松涛1-5-1/TEL03-3469-1338)を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国に精力的に行っている。その実業務からTV・新聞・雑誌などで広く発言。元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任する。

 著書には、新刊『六十歳から家を建てる』(新潮選書)、『地震から生き延びることは愛』(文藝春秋)、『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)、新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社 実用BOOK)など多数がある。

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