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「天野彰のいい家いい家族」

北も南もない? 外観もない家???

2008年01月20日

 年頭にお話しした私の恥ずかしい大失敗が示すとおり、台風や地震に勝つ家が望ましいのですが、実際には想像を絶する強風や揺れが起こりえます。

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浮き沈みそして回転する家

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敷地に穴だけが見える(中庭)

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家が顔を出して……

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くるくると回りだす

 アメリカのハリケーンや竜巻でたびたび見るように、家の基礎や地下だけを残した家々の生々しい惨状はまさにそれです。17日で13年を経た阪神大震災は、都市中央部で起きた直下型地震を初めて体験したもので、その揺れは想像を絶するものでした。家が飛び跳ねるように倒壊し、3センチ以上の太さの鉄筋や鉄骨の角柱がスパッと瞬時にぶち切れるなど、私自身が体験した破断試験では信じられない、爆発に匹敵するような応力がかかったことが分かります。

 それでも幸い辛うじて倒壊を免れた家も多かったことが、耐震研究の励みにもなっているのですが……。強烈な揺れから助かった家でも、倒壊した隣家からの火災で消失したケースも多くあります。そんな中で生き残るすべはあったのでしょうか?

 そこで私は、北も南もない、たしかに建っているが外観も無い? くるくる回る?? そして地下に沈む??? そんな家を考えました。台風が来たり、火災が発生したりすると、地下に造られたポッドに沈み込むため、イラストのように建ぺい率がない家となり、容積だけで総床面積の50パーセントの緩和もある広い家になります。

 沈んだときの水が心配ですが、周りを丘のようにこんもりと高くすれば大丈夫。さらには地下室にも連動して家財や重い本などを収納できます。

 地上に現れたときは回転して日照は家中自在に得られ、北も南もなくなります。私も説く「家相」についてもすべての問題が回避されます。納戸や倉庫なども天気の良い日に南に向ければ、虫干しの煩わしさからも解放されます。長期間の旅行ならば、家を沈めて防水して置けば安心。しかも、広い庭で屋外パーティーもキャンプもでき、ゴルフの練習も可できる!。

 まさしく私の人生のような、天野式「浮き沈みカルーセル(回転)・ハウス」ですが、何度か提案はしたものの、いまだに実現していません(笑)。

 次回は「住まいは建物ではなく居住の場所所?」についてお話を。

プロフィール

顔写真 天野彰(あまの・あきら)

 岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 「日本住改善委員会」(相談窓口・東京都渋谷区松涛1−5−1/TEL03−3469−1338)を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。「日本建築仕上学会」副会長とNPO法人「国産森林認証材で健康な住環境をつくる会」代表。

 著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)、『地震から生き延びることは愛』(文藝春秋)、『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)、新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社 実用BOOK)など多数。

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