2008年5月18日
中国の四川省綿竹にある武都小学校の3階建て校舎。14日、がれきと化した現場では災害救助犬が出動して懸命に生存者の捜索が行われていた。約200人が生き埋めになったままだという=中田徹撮影
40年ほど前から提唱している「出窓式プロテクトハウス」S邸例
「出窓によるプロテクトハウス」H邸例
拙著「地震から生き延びることは愛」(文春新書)
このところ、地球のあちこちで大きな災害が発生しています。ミャンマーのサイクロンに引き続き、中国四川省で12日に起きた大地震では、その災害の大きさに反して、実際の被害情報や救助活動など、なにやらベールに包まれているような歯がゆさも感じます。
中国政府は発生4日目になって、やっと死者が5万人を超えるであろうとの驚くべき推計を明らかにしましたが、見るからに地形の複雑さや道路の寸断などでさらに多くの被害が予想されます。しかも、被災面積はなんと北海道の面積を上回る10万平方キロを超えるとも言われ、その規模と範囲は阪神大震災の十数倍にも及ぶようです。
このコラムで何度も触れていますが、日本列島のプレートにもストレスが溜まりに溜まっています。先日の茨城沖の日本海溝付近で起きた地震もその一つで、これも運悪くひずみの破壊が連鎖して広がれば、さらに巨大地震になりかねません。震源と大きくゆらゆらとした揺れ方にあうと、想像もつかない揺れが起こるのではないかと冷やっとします。
震度7などを頂点とする揺れの表示は関東大震災の経験上の指標に過ぎず、阪神大震災のように、場所によっては指標以上の揺れが想定されます。がけ崩れや地盤隆起や沈下などは、いくら耐震構造の建物でもひとたまりもありません。
本来の防災とは、危険地帯のそれぞれのリスクを想定して建設の判断をすることと、救助の拠点とエリア内のミクロなライフラインの確保にあります。しかし、実際にはマクロレベルの耐震基準などの法づくりに終始し、地盤の悪い場所や崖地などの地盤改良や規制がお座なりになっているのが実情です。
防災対策と同じように、高齢人口の増加に伴って、わが国の年金や国保は予想以上に深刻な問題を抱えています。ややもすれば後追いでつじつま合わせのような拙速な施策や行政に頼るのではなく、確実に迫り来る“わが老い”をシュミレーションし、まずはわが家とわが身のセルフディフェンスを心がけ、自ら地震や災害、さらに防犯に備え、生き延びることがなによりも大切と改めて思います。またまた手前味噌ですが、詳しくは拙著「地震から生き延びることは愛」(文春新書)などをお読みいただければ幸いです。
40年ほど前に新築された、私が提唱する「出窓によるプロテクトハウス」(イラストと写真)を、その後の世相や家族変化に応じて、約15年ごとに3回ほどリフォームをして来られたTさんご夫妻がいらっしゃいます。直近のリフォームは、老いに向けての耐震構造と安心のセルフディフェンスでした。この方と実際のリフォーム歴の例が24日の土曜日の朝9時からNHK総合テレビの「家計診断」というロングラン番組で紹介される予定です。同番組は家計に関わる情報番組で、衣食住、さらに医療や消費などをテーマにしています。
今回はリフォームの成功の秘訣や資金計画がテーマになるようです。ただ……、当日朝はアメリカの金曜夜で、もし松井と松坂の対戦となると、メジャーリーグが総合放送で生中継され、この「家計診断」の生放送は翌々週以降に延期されるそうです。なんだか変ですが、あしからず。
またかねてよりお知らせの「建築リフォーム&リニューアル展」がいよいよ今週21日(水)から開催され、私も22日14:50から「ユニバーサル社会の安全と安心」についてお話します。詳しくは前々回コラム関連情報をご覧のうえぜひご来場ください。

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。
「日本住改善委員会」(相談窓口・東京都渋谷区松涛1−5−1/TEL03−3469−1338)を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。「日本建築仕上学会」副会長とNPO法人「国産森林認証材で健康な住環境をつくる会」代表。
著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)、『地震から生き延びることは愛』(文藝春秋)、『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)、新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社 実用BOOK)など多数。
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