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キッチンを素敵なスナックやバーのカウンターに

2010年10月15日10時12分

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イラスト:わが家を“街のスナック”のように拡大わが家を“街のスナック”のように

イラスト:キッチン移動はシンクの排水の位置と勾配が重要拡大キッチン移動はシンクの排水の位置と勾配が重要

写真:キッチンは壁側のままでも、カウンターバーをつくったT邸拡大キッチンは壁側のままでも、カウンターバーをつくったT邸

写真:徹底したカウンターバーにしていつでも営業が可能。K邸拡大徹底したカウンターバーにしていつでも営業が可能。K邸

 2LDKや3LDKといったマンションが住みにくさを感じるとすれば、それは狭いからばかりではありません。玄関に入るといきなりキッチンが丸見えとなってしまったり、リビングダイニングに至る動線上でキッチンを通り抜けるようになっていたりすることが多いのも一因です。そればかりか、L、D、Kに区切りがないと、台所の音や煙が常に充満し、LDどころか全体が大きな“K”となって落ち着きません。だからと言ってキッチンを壁で囲ってしまえば全体がますます狭くなるばかりか、主婦が孤立しかねません。

 そこで、現在の壁側にある流しやレンジなどのキッチンセットを思い切ってLD側に向けて移動し、そこをカウンターテーブルにするのはいかがでしょうか。いわゆる対面式キッチンをテーブルとして利用するのです。これを玄関やLD側から見ると、まるで街のスナックやバーのカウンターのようになります。これによりキッチンの手元は見えにくくなり、今までキッチンセットがあった壁側は天井までの大容量の収納棚にすることができます。街のスナックやバーで言えば、ボトルが並べてあるあのバックカウンターのようになり、そこに照明をあて、グラスや食器などをディスプレイする。カウンターも分厚い一枚板のようにしたり、さらには石張りにすれば、街の高級クラブにも負けません。

 一時、親子の対話に良いとダイニングやリビングに向けた対面式キッチンが爆発的に流行ったことがあります。が、実際は家族はそれぞれ忙しく、対面すべき子どもたちも育ってしまい、折角のカウンターは物の置き場同然となってしまった家庭が多くあります。

 ここでお話しするのはそんな“対面式キッチン”ではありません。この玄関やリビングに張り出した、わが家のスナックのような「カウンターキッチン」は、“客”がいつ来ても対応できる。“見せる”カウンターバーなのです。しかもそのカウンターの端は奥様も座れる食卓テーブルで、そこは家族が自由に使えるカフェテリアのようにもできます。

 さて、この素敵なスナックバーへのキッチンリフォームですが、マンションなどの集合住宅では上下の階との関係で縦方向の排水管の位置が限られており、そう勝手には移動できません。一戸建てのように下の階の天井裏は自分のものですが、マンションでは全く別の家となりますから、自由に配管はできないのです。圧のかけてある水道水やガスとは違い、シンクなど自流式のものは排水が難しく、1/50以上の勾配(水が自然に流れる傾き)が必要となるのです。

 マンションのパイプスペースなど排水の縦管の位置によっては、シンクの移動は注意が必要です。無理をして下階に漏水などの被害がでたら大変です。さらに換気扇や排気フードの移動も限られ、レンジの位置も大幅に動かせません。図のようにシンクやレンジを今までの壁に沿った配置を生かしながら、少しだけカウンター側に向きを変えることが得策のようです。これによってキッチンセットの中やバックカウンターの中でシンクの排水勾配が取れるのです。そのルートから外れると床を一部かさ上げしたり、レンジフードからもとの換気口まで長いダクトが必要となって、天井が低くなったり、そこに油が溜まりゴキブリの発生の原因ともなり掃除も大変です。

 このコラムでも何度かふれた「開かれたキッチン」のイメージは、気楽なちょい飲み屋か、あるいは体のよい街のスナックのカウンターバーかカフェテリアのようなキッチンテーブルです。玄関から丸見えだったキッチンを徹底的に改造したこの豪華なカウンターバーに、家族や友人たちがそろって寄って来て、狭い家が街のスナック(本当は意外と狭い)に負けない社交場となり、何よりも奥様がママさんのように(?)、快活にそして美しくなるから不思議です。

プロフィール

天野彰(あまの・あきら)

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。

「日本住改善委員会」(相談窓口・東京都渋谷区松涛1−5−1/TEL03−3469−1338)を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。「日本建築仕上学会」副会長とNPO法人「国産森林認証材で健康な住環境をつくる会」代表。

著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)、『地震から生き延びることは愛』(文藝春秋)、『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)、新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社 実用BOOK)など多数。

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