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日本の国は欧米に比べると汚いと言われてきた。電柱が立ち並び、電線が張り巡らされ、風俗店や貸し金業者の広告が道沿いや公衆電話のボックスに張られている。外国から来る観光客は東京や大阪の乱雑な街並みにびっくりする。景観が悪いことが外国からの観光客の来ない一因にもなっている。三井不動産の大室康一専務は「英国などでは教会が見えなくなるような建物はつくれない」と規制の厳しさを話す。
街並みをきれいにしようという動きが出てきて、やっと国も腰を上げた。1月から開かれている通常国会に、国土交通省は「景観法」とその関連2法を提出している。役人的に言うと「3文字法」というのは、海岸法以来40年ぶりの画期的なこと。
国交省は03年1月に「美(うま)し国づくり委員会」を作り、竹歳誠審議官(現都市・地域整備局長)らが中心になって検討を進めてきた。同年7月に「美しい国づくり政策大綱」を発表。この中で美しい国作りの実現のためには国はもとより住民、地方公共団体、企業、専門家が協力していかなくてはならないと、した。そのうえで、良い景観を作るには基本法を制定すると共に都市に緑を増やすための法律、野外広告に対する規制や電柱の地中化を推進する法律も作るべきだ、と指摘している。
一方,自民党でも02年9月に国土交通部会の中に「街並み景観小委員会」(委員長・岩永峯一代議士)が作られ、03年12月に報告書を出している。こうして政官が協力し、初めての景観法が出来た。
自民党の渡辺喜美・国土交通部会長は「今まで450の市町村、27の都道府県で美しい町並みを作る景観条例があったが、なかなか効果が上がらなかった。国として取り組む必要が出てきて、法律を作ることになった。景観が法律になるのは初めてのことである」と強調している。
この法律では、景観を守るために市町村に権限をおろした。県など入ると間接的になるので、地域を良く知っている市町村が主体になる。まず景観計画の区域を決めてそこを景観地域とする。そこを決めるまでに市町村と住民とで作る景観協議会がこれを認めるかどうかを審議する。住民と景観協定を結んで景観に関するルール作りをする。地区が決められた後は屋外広告物法によって屋外広告物の規制や緑化事業の促進を行なう。さらにNPOや街づくり公社などが景観整備機構を作り、こうした景観を守るための作業のお手伝いをする。
特に、乱雑な野外広告物の規制をするために広告業者を届出制から登録制にする。今までは「張り紙」「張り札」「立て看板」しか除去できなかったのをベニヤ板、広告旗などもはずせるようになる。
こうした規制だけでなく、今回は予算を付けると共に税制の改正をして景観法を支援する。石井喜三郎国土交通省都市・整備局都市計画課長は「単に法律だけではだめで、カネと税で支援しないと美しい街並みは出来ないことが県や市町村の経験から分かった。景観形成事業推進費として200億円の予算を付けた。さらに景観重要物の相続税に付いては所得税、法人税の特別控除1500万円を認めるようにした。財政難の中で新しい予算がついたことはそれだけ景観を守ることが大切だと言うことを財務省も認めたからだ」と話している。
この法律は今年6月までに成立し,年内に施行される見通しだ。美しい街並みは直接的には観光、さらに経済全般にも良い影響をもたらし、長い目で見れば景気回復にも役立つだろう。
(04/03/27)
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