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大規模化に伴って大型・カラー化する不動産広告
目黒 孝一


 マンション市場は首都圏、近畿圏とも都心部の超高層、大型物件が供給増を牽引(けんいん)しているが、それらを演出する不動産広告のプロモーションも大きく変化してきている。一つは新聞広告の大型化・カラー化であり、二つ目はテレビ広告(スポット)の急増である。

 カラー広告の視覚に訴える力は、モノクロに比べて格段に大きい。例えば、紙面上で周辺環境の緑や建物のファサードなどを表現するには、モノクロではできない微妙なタッチもカラーでは十分可能だし、それによって読者への注目度も大きく違ってくる。また、テレビスポットの急増は、新聞購読者が少ないといわれている団塊ジュニア層に訴えかけるする有力なツールとして、インターネットと並んで大きくクローズアップされている。

 いずれにしてもプロジェクトの大規模化に伴う広告予算大型化のなせる業だが、最近の不動産広告に有名タレントが続々登場しているのもこうした事情によるものだ。

 ある広告会社の調査によると、首都圏における不動産銘柄のテレビ広告本数(スポット、15秒もの)は昨年の1〜3月期が1464本、今年の1〜3月期が1957本で、前年同期比で今年の方が33%もアップし、2000本近くに達していることが分かった。こうした右肩上がりの傾向は、マンションの大型化・都心化が本格化してきた2002年以降、続いている。

 一方、テレビスポットの急増に対し、新聞広告の伸び率は一けた台になっている。全体の伸び率以上に新聞広告の印象が強いのは、やはりカラー広告の占める割合が大きくなっているためだろう。今年のゴールデンウイーク前、『波の音で目覚めるトーキョー』のキャッチフレーズで、女性の身の丈ほどもある人魚が横たわっているカラー広告をご覧になった読者は、度肝を抜かれたのではなかろうか。朝日新聞に掲載された8ページ立てのパノラマワイドの広告である。業界用語で「ノンブル付きチラシ」と呼ぶそうだが、こうした広告の登場もここ1〜2年のことである。

 広告出稿の多さは元気な業界の縮図ともいえる事象だが、最近の不動産広告を見ていると、かつてのチラシや住宅情報誌中心のプロモーションから潮目が大きく変わってきたことを実感する。ただ、広告の大型化・カラー化やテレビスポットの増加に伴って露出度が増したといっても、ユーザーとどう向き合っているのかという視点が希薄ならば、単なる広告の垂れ流しになってしまう。

 企画がマンネリ化し、“呼びや”としての効力もだんだんと落ちてきたタレント起用の現状などを見ていると、そうした懸念が少なからずぬぐい去れない。 (04/08/13)








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