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電気や水道がなかったら、現代の生活は全く成り立たない。私たちは電気や水道に大きく依存しながら快適な暮らしを安穏と楽しんでいるのに、限りある資源を有効に使うという視点が足りないように思う。
灼熱(しゃくねつ)地獄のような今年の夏、「もしクーラーがなかったら」と思うとゾッとするし、その冷却力に感謝する毎日だが、同時に使えば使うほど高くなるという不思議な仕組みをもった電気代が気に掛かる。また、どんどん電気を使えば電気代が高くなるだけでなく、地球環境にも負荷をかける。賢く電気を使って、しかも安上がりにする方法はないものか。こんな疑問に答える実験が始まった。
その名は「コロンブスの蓄電」。以前紹介した「コロンブスの床」の弟分である。「言われてみれば“なーるほど”だけど、言われるまで気がつかなかった」シリーズの一つであり、開発主導者は「コロンブスの床」と同じ株式会社「さとうベネック」商品開発部の清水さんである。
総戸数14戸の賃貸マンションの共用階段下のデッドスペースを利用して蓄電池を設置し、深夜電力をためて共用部の照明・外回りの照明・管理室の電灯などに利用し、1年間の電気使用量と電気代のデータをとった。何と驚くべきことに、共用部の電気代が48%節約できている。
電気は使用ピーク時に合わせて供給できるようにしておかなければならないわけだが、そうすると使用量が少ない時間帯には、発電施設を止めなければならないということになる。この時間帯が深夜であり、それゆえ電気料金が安く設定されている。この安い時間帯の電気を電気のまま(熱に変えるのではなく)ためておき、昼間の電気代が高い時間帯に使おうというのが「コロンブスの蓄電」である。
最近は世の中が物騒になり、マンションもセキュリティーに気を配らないと評価されない時代になった。その一つが共用部・外構部の照明である。照明に使う電気代が高くては、明るくしたくてもなかなか照明器具の数を多くしたり付けっ放しにしたりはしにくいが、電気代が48%もカットされると、多めに照明をつけても気にならない。
電気を使わないで節約するのではなく、セキュリティーに必要十分な電気を使いながら経済的負担を感じない――これが「コロンブスの蓄電」の考え方だと開発者は言う。この「活用」の発想は、専門外の建設会社が主導したからできた発想かもしれない。
上記のマンションの場合も常夜灯の数を多くし、駐車場も明るくしたにもかかわらず、3kwの「コロンブスの蓄電」を採用したおかげで、もし従量電灯Cの契約だとしたら年間電気代が42万円かかるところ、「コロンブスの蓄電」+「電化上手」+「全電化住宅割引」で21万5000円という結果が出た。年間20万5000円の節約になったわけだ。これは、共用部電灯の昼間使う分の54%を夜間にためた電気でまかなったおかげである。
もう一つの大きな魅力は、ライフライン電源の確保ができるという点だ。「コロンブスの蓄電」は毎日、充放電を繰り返しているが、蓄電池内には常に一定の電気が蓄えられている。何かが起こり、停電しても「コロンブスの蓄電」は自動的に回路を切り替え、特定のコンセントから電気を供給できる仕組みになっている。例えば、蛍光灯2台、テレビ1台、冷蔵庫1台、携帯電話の充電分くらいだと、現時点(設置後1年)で3昼夜、10年後でも約一昼夜、電気を供給し続けることができる。何か起こったときにも安心というわけだ。
14戸のマンションの共用部電灯用に採用した3kwシステムなら、戸建住宅への設置も十分検討に値する。1日に15kwhの電気を使うことができるので、夏・冬の電力消費ピーク時の電気代を削減することができるし、春・秋の電気消費量としては少し多いが、オール電化住宅や電気使用量の多い家庭には魅力的な商品である。
「電気をためて、使う」なんて考えたこともなかったが、節約という視点からだけでなく、貴重なエネルギーを大切に使うという視点からも注目している。
詳しくは、http://www.satobenec.co.jp/chikuden/
(04/09/03)
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