先日、女性ばかりで「トイレの機能に関するグループインタビュー調査」を実施した。年代別に3グループの生の意見を収集したが、メーンテーマである「機能」についての要望・不満はもちろん色々出たが、印象に残ったのは「男性のトイレの使い方」に対する大きな、大きな不満の声であった。
スペースの問題もあり、現代の住宅に男性用小便器のある家はほとんどない。マンションでは、一つの洋便器を男女共用し、戸建て住宅では1階と2階にある二つのトイレを時間帯によって使い分けるのが一般的である。(今回のグループインタビュー出席者の中に、男性と女性で使うトイレを分けているという人もいたが)
「男性が立って洋便器に小用をすると、便器の縁に飛び散ったり、周りにこぼれたり、シャワートイレのノズルが出てくる部分に当たって不潔」「それを掃除するが大変」と言う不満が、主婦たちの口から次々に出た。
最近は、座って小用を足す男性も増えている。トイレ掃除を担当する母親や妻から「汚すな」と口うるさく言われて座ってするようになったか、自分で掃除をしてみて、その大変さにびっくりして自発的に座るようになったかのどちらかであろう。
「男たるもの、座って小用を足すなどとんでもない」とお嘆き・お怒りのおじ様、おじい様達も多いだろうが、若い人はほとんど気にしていない。座ってしようが、立ってしようが男の沽券(こけん)にかかわる問題ではないのである。
便器の低さにも問題があるのかもしれない。ヨーロッパやアメリカに行くと、便器の位置が高く、日本女子の標準身長の私でさえ、座った時に足が浮くこともあるくらいである。体格が大きくなった現代の日本男子には、日本の便器が低すぎて的(便器)がはずれるのかもしれない。
以前、トイレメーカーの方に「小便器に的になる印をつけると、周りが汚れにくくなる」という話を聞いたことがある。男性は狙うべき的があると、それに当てたくなり、周りにこぼさなくなるというのである。
いずれにしても、トイレ掃除をする主婦たちは、男性(夫や息子)のトイレの使い方にイライラしている。「汚さないように使って」といくら言ってもダメらしい。便器のフチや外側、床果ては収納扉にまで飛び散った尿を放置すると、尿素が一般細菌(バクテリア)とくっついてアンモニアが発生し、ツンとした独特のにおいが漂うようになる。さらにpHが上昇すると尿石になり、この尿石が一般細菌の温床となって、アンモニア臭生産拠点になるのである。こうしてトイレが一気に「ご不浄」になってしまうのだ。
最近の主婦たちには「トイレはもう一つの応接間」感覚があり、トイレの中に花や絵を飾りたい、お客様を通す場としておしゃれな空間にしておきたいという欲求があり、トイレを汚す人が家族に居ると、この夢が一気に砕かれてしまう。
その点に彼女たちは怒っているのである。
トイレメーカーには、男性が立ってしても飛び散りにくい、またはこぼしにくい便器の開発をお願いし、母親は息子にトイレの使い方をコーチし、世の大人の男性方には、座ってするか極力こぼさないよう、万が一飛び散った場合は、トイレットペーパーですぐにふき取るというご協力をぜひお願いしたい。