04年6月に出来た景観法と関連の緑三法が、05年6月からいよいよ完全実施に移された。この法律に基づき、各市町村が景観計画と景観地区の指定を始める。国土交通省の都市計画課によると、滋賀県近江八幡市がトップバッターになり景観計画による地区指定を出す予定。近江八幡市以外では栃木県日光市、神奈川県小田原市、同県大磯町など35の市町村が景観行政団体に立候補した。ほかにも、政令指定都市・中核市は景観法の施行に伴って、自動的に景観行政団体となっている。
景観を守るための区域が指定されると建築物や工作物のデザイン、色彩などが規制される。景観を守るために必要な建築物や工作物、樹木なども指定されて積極的に保全される。また、街並みを壊しているといわれている広告物などについても撤去できるようになる。区域内にある都市公園など緑を守るための整備も積極的に行えるようになる。
街並みを守るため、行政と住民が一体になって「景観協議会」を作り、具体的な方法について協議する。実際に景観を守るための活動をする「景観整備機構」を作り、住民が無償で活動するNPOや街づくり公社など指定する。整備機構が景観を守るために必要な建物などの管理や土地の取得を行う。
今までも各地方公共団体で景観条例が作られていたが、景観を守るための武器にはならなかった。このため国が景観緑三法を作った。この法律により小泉首相が力を入れている日本の観光振興にも役立つ。
今までのこうした法律は金がつかない理念法になりがちであったが、今回の法律は各地方公共団体の街づくり交付金として1930億円、調整金として200億円を計上していることから金の面からも支援できる体制になっている。
観光立国と絡み合って「美しい風格のある国づくり」を目指して6月1日に東京都内の日比谷公園に1600人が集まり「日本の景観を良くする国民大会」が開かれた。日本経団連など財界三団体をはじめ日本ツーリズム産業団体連合会、日本観光協会、不動産協会、建築業協会など35団体が実行委員会を作った。このように色々な団体が集まって美しい日本の国づくり運動をするのは初めてのことである。景観緑三法が出来たことがきっかけである。
大会では伊藤滋・早大特命教授が「生活と景観」の基調講演をした後、「わがまち、わがむらを美しく」というテーマで木村尚三郎・静岡文化芸術大学長、野村興兒・萩市長、舩山龍二・日本ツーリズム産業団体連合会長らがパネルディスカッションを行った。あわせて公会堂の2階玄関では、全国の景観のパネル展示もした。