不動産業界では、インターネットをきっかけとした新築分譲マンションの購入件数が年間販売戸数の約3割に達するなど、インターネットマーケティングが不動産の販売手法として最大の武器となってきた。また、ネットの普及、技術の進歩などでユーザーは最新の情報やより多くの情報を求めるようになっており、企業からユーザーへの伝達チャネルもますます複雑化、多様化している。
インターネット経由の新築分譲マンションの購入件数は、マンション最大手の大京が2004年度に3796戸(前年度比58.8%増)を契約したのを始め、東急不動産でも年間販売戸数のうち、約33.7%をインターネットがきっかけで契約している。こうした右肩上がりのネット営業は不動産業界に共通した動きで、各社ともますますインターネット広告の露出度を増やしている。
一方、企業からユーザーへの伝達チャネルも多様化している。その一つがQRコードと言われる2次元バーコードが付いた広告である。最近、新聞や雑誌、折り込みチラシなどでよく見かけるようになった。周知のように、QRコードはカメラ付き携帯電話で読み取ることで、簡単に携帯サイトにアクセスしたり、空メールを送信したりできるものである。
2004年夏ごろから携帯電話にQRコードリーダーが搭載され始め、今では日本の携帯電話の約4割がQRコード読み取り対応型の機種と言われている。
不動産広告でQRコードが採用されたのは分譲マンションの現地案内看板が最初と言われている。当初は資料請求のページなど、簡単な文字情報だけだったが、今ではHPのように外観や間取り図などを動画や音声を使ってPRするものまで現れている。また、野村不動産のように、QRコードや携帯メールから簡単にアクセス、資料請求が可能な新築住宅の携帯電話専用サイトをオープンし、携帯電話によるプロモーション効果をきめ細やかに測る企業も登場してきた。
携帯電話の契約者総数は9月末現在で約9000万件(社団法人・電気通信事業者協会)に達した。このように携帯電話は誰でも持っているものだし、持ち歩くことも可能だ。また、インターネットに接続することで簡便・迅速に最新情報が入手できる。今や個人の持つ“生活インフラ”として携帯電話は必要不可欠なものになっている。ただ、パソコンと比べてやはり情報量の限界はあるし、利用する頻度も“携帯世代”と言われる団塊ジュニア以下の世代が圧倒的である。
それだけに不動産販売の分野でどれだけ有効なツールとして機能するのかはまだ未知数だが、ユーザーの求める不動産サイトのレベルはますます上がっている。不動産業界にとって携帯サイトのレベルアップは、WEB戦略強化の大きなテーマになってきた。