首都圏に続いて近畿圏でも超高層マンションの供給が本格化している。中でも大阪市内は超高層マンションが目白押しで、今年1〜10月に市内で供給された戸数のうち3分の1強が20階建て以上の超高層マンションとなっている。その一方で、販売単価は昨年末に比べて15%程度値上がりしており、これまで竣工までにはほぼ完売していた売れ行きが今後も維持されるかどうか、注目されるところだ。
大阪市内の供給戸数は近畿圏全体の約25%を占めるが、こうした市内の超高層マンションの活発化で、近畿圏のマンション着工は首都圏を大幅に上回るペースで増加している。9月の着工戸数を見ると、大阪府が前年同月比で3倍強増加したのを受けて、近畿圏全体では2年5カ月ぶりに5000戸の大台を突破した。1〜9月累計でも17.7%増と首都圏の9.3%増を8.4ポイント上回った。
一方、供給戸数でも1〜10月で2万6187戸と前年同期比0.9%増となっており、今年は3万2000戸強の発売が確実視されている。また、売れ行きは初月契約率70%台で推移し、在庫も新規供給戸数の2割弱にとどまっており、ほぼ順調といえるだろう。ただ、相変わらず残戸数を抱えているのが100戸未満の中・小規模物件である。これらの物件は話題性に乏しく、地元需要を掘り起こす以外に販売方法がないため、その大半が超高層物件に押されぎみになっているのが実情である。
ところで、大阪市内で超高層マンションの供給が活発化しているのは、本社機能の東京移転や事務所の統廃合、リストラ関連などで大規模用地が放出されたためで、金融機関やメーカーの本社跡地などが積極的にマンション化されている。しかしながらこうした優良なマンション用地は残り少なくなっており、それだけにディベロッパーによる土地取得の大競争はますます激しくなっている。
ディベロッパーが落札する素地価格は東西共に路線価の3倍時代に突入したといわれているが、当然のことながら素地価格の異常な値段はいずれ販売価格に転嫁せざるを得ないだろう。大阪市内の超高層マンション価格は、昨年までが3.3平方メートル当たり140万〜170万円、今年が190万〜200万円と約15%上昇しており、これから来年の3月にかけて200万円を突破する物件も目白押しで、230万円程度の物件も登場する予定だ。
大阪市内の超高層マンションはこれまで相対的に価格も割安で、タワーの特性である景観も良いことから、ユーザーにだんだんと受け入れられるようになってきた。今のところ販売が好調に推移していることから、ディベロッパーにとっては高値の用地取得にも対応可能な好循環に入っているが、今後、限界値に達しつつある土地を受け入れてその差を商品力などで埋められるかどうか、まさに正念場といえるだろう。