健康と環境を心にかけ、持続可能な社会を維持しようというロハス(Lifestyle Of Health and Sustainability)が主婦たちの間で話題になっている。
今の便利な暮らしのすべてを捨てて、まきでご飯を炊いたり、冷暖房のない生活に戻ったりすることはできないけれど、少しの心遣いと工夫で環境貢献できるのだったら、ぜひやってみたい。それを実行しないと、子供や孫の時代に、この地球はどうなってしまうのだろうと、真剣に考える人が多くなってきているということだ。
環境破壊、地球温暖化、異常気象、自然災害、凶悪事件の頻発など、地球と人間自体が病んでいることを実感せざるを得ない出来事が多発しているし、このままではまずいのでは?という感覚が生活現場に落ちてきたということだろう。
LOHASは2000年にアメリカの社会学者二人が、「『持続可能な地球環境や経済システムの実現を願い、そのために行動する』、『金銭的・物理的な豊かさを志向せず、社会的成功を最優先しない』、『人間関係を大切にし、自己実現に力を入れる』人々が、全米成人人口の30%にあたる約5000万人、EU諸国の成人人口の35%にあたる約8000〜9000万人存在する」と発表したところから始まり、LOHASマーケティングが形成されてきた。
アメリカでは、オーガニック農業や自然食のマーケットが飛躍的に成長しているようだが、日本ではどうもファッションや自然化粧品など流行としてとらえられているのは、残念である。
ロハスの考え方は、これからの街づくり・家づくりにも必要なコンセプトではないだろうか。
京都議定書で日本は6%のCO2削減が義務付けられたが、その後8%上昇している。工場の排出するCO2は減っているが、ビルや住宅から排出されるCO2が増えているのである。家庭のエネルギー排出量を低減することは、地球温暖化の原因となるCO2削減につながる。
何でもそうであるが、1人や1軒で続けるのは難しいが、みんなとやれば楽しい。街中がロハスな暮らしだったら、住民同士の話も合うし、励ましあって長く続けられる。屋根は太陽光発電のソーラーパネルにし、室内はオール電化にする。雨水をためて庭の水遣りや打ち水には水道水を使わない。屋根に向かって斜めに棒を立てかけ、アイビーや朝顔を這わせて日よけにすれば、室内に入ってくる風が涼しくなる。
配棟計画の段階で、日当たり・風通しをしっかり考え、冷暖房の室外機からの風が、道路や他家に行かないように工夫する。
庭にはハーブを植え、無論無農薬で育て、手作り料理のスパイスとして活用する。野菜の切りくずはたい肥として草花の栄養にする。
ロハスは何も難しく考える必要はないし、無理や我慢をせずに、できることから少しずつ始めれば、やがて数が集まって大きな環境貢献ができるように思う。
ハチドリ一羽が口に含んだ水をたらすことによって山火事を消すことはできなくても、「自分は自分にできることをするんだ」と言ってやるべきことをやっていれば賛同する仲間が増え、やがて何万羽ものハチドリが一斉に水を運べば山火事は消えるかもしれない。 心豊かに、心身ともに健康に暮らす以上の贅沢はない。これからの街づくり・家づくりにロハスな考え方を注入していきたいと思っている。