オフィス賃料の改善や地価の上昇、市内への人口流入など大阪のポテンシャルに明るい兆しが見えてきた。都心回帰を象徴するタワー型マンションの供給も、首都圏では湾岸エリアの大量供給が一段落したこともあり一服感が出ているが、大阪市内は計画が目白押しとなっている。
大阪市内のタワーマンションのリード役になったのは2002年に分譲された「シティタワー大阪」(中央区瓦町、事業主・住友不動産)である。このマンションは堺筋沿いの旧トーメン本社跡に建設された50階建て・総戸数357戸の超高層マンションで、高さ170メートルと、当時としては西日本地区で最高の高さを誇った。
その後、年間2〜3棟のペースで供給されたが、昨年から今年にかけて大阪市内で供給された30階建て以上の主なタワーマンションを挙げると、昨年が「ザ・なんばタワーレジデンス・イン・なんばパークス」(浪速区、46階345戸、オリックス・リアルエステート、南海電鉄他2社)、「シティタワー西梅田」(福島区、50階349戸、住友不動産、新日鉄都市開発)―など8プロジェクト・2332戸。今年が「上本町ヒルズマーク」(天王寺区、37階270戸、野村不動産、関電不動産)、「ザ・タワー大阪」(福島区、50階480戸、オリックス・リアルエステート、三菱地所他3社)−など6プロジェクト・1652戸が年末までに発売される予定となっている。
なかでも、「ザ・タワー大阪」は大阪大学付属病院跡地に建設されている今年一番の話題物件で、商業施設や多目的ホールのほか、朝日放送の新社屋ビルが隣接する複合機能都市というコンセプトをテーマにした開発である。既に会員分譲に引き続き7月から一般分譲を始めているが、約7割にあたる340戸を契約済みという。
大阪市内のタワーマンションは来年も主な物件だけで10プロジェクト・3000戸の供給が計画されており、まさに東京の“湾岸戦争”が大阪市内に飛び火した様相を呈している。中でも老舗の百貨店・三越跡地のプロジェクト(中央区、50階500戸、三洋ホームズ他8社)は、立地・規模・価格(今のところ3.3平方メートル単価で240〜250万円程度と見られる)面などで、最大の話題物件となるだけに、関西のマンション業界でも今からその売れ行きに注目している。
大阪市内のタワーマンションは昨年まで3.3平方メートル単価で100万円台が大半だったが、今年に入ってからは200万円台に突入している。大阪市内でもタワー以外の中小規模のマンションは話題性も少なく、相変わらず在庫を抱えている状態だが、絶好調のタワーマンションも用地取得難を反映して急速に価格が上昇してきており、今後、企画面の巧拙が問われそうだ。