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これからのJリートの投資は慎重に

阿部和義
2006年11月17日

 不動産投資信託(Jリート)の評判が良く、この制度が出来て5年にもかかわらず投資法人は06年9月末で39になり、時価総額も約4兆円になっている。これからも上場する時の資産が1000億円以上のものが森ビル系の森ヒルズリート投資法人のオフィスビル(11月30日上場予定)や野村不動産ホールディングス系の賃貸住宅、三井不動産系の商業REITなどが計画されている。

 大型の投資物件が出てきており、市場はますます大きくなっているが、問題も出てきている。金融庁は投資法人や運用会社が役員会の議事録を不適正に処理したり、不動産審査がずさんだったりしたため処分した。

 これからのJリートについては、一般の経済情勢の中で金利が上る局面時に、上場価格がどうなるかについて慎重に対処すべきではないか。すでに上場しているリートでは新しい物件がなかなか見つからず、運用利回りが低下するという傾向がみられる。

 Jリートは株と同じで元本保証はない。今までは投資環境に恵まれていたが、これからも今までどおりいく保証はない。

 Jリートの誕生までには業界の長い間の努力があった。バブルがはじけてから、株とともに土地が下がり始めた。このため、地価を上げる方策を不動産業界は模索し、証券化に力を入れてきた。東京建物の南敬介会長や三井不動産の岩沙弘道社長などが旗振り役だ。特に富士銀行の副社長から来た南会長は、証券化についてはあらゆるところで訴えてきた。不動産を勉強しているジャーナリストが集まって作っている「不動産ジャーナリスト会議」が開いたシンポジウムなどで「Jリート」の創設に理解を求めた。地価を上げるには不動産を動産にして動かすしかないという考えであった。

 こうした業界の中で、早くからこの問題を手がけてきたのが三井不動産の佐藤一雄氏(現在はサタスインテグレイト代表取締役)である。佐藤氏は64年に早稲田大学を卒業して三井不動産に入り、三井不動産販売の不動産運用部長の時に不動産小口化商品の第1号の「トレンディ」を発売した。その後、「不動産シンジケーション協議会」に出向し、土地の証券化の理論作りと官庁への根回しを進めた。この結果、00年11月に投資信託法改正で不動産も組み入れられるようになり、01年9月に三井不動産と三菱地所のリートが上場された。さらに不動産と金融業界の人が集まる「不動産証券化協会」が作られ、佐藤氏が事務局長になり、岩佐社長が理事長になった。

 こうした業界の努力で、公示価格や標準地価も都会地では上がり始めてきた。しかし、利回りの良い物件が少なくなっているときに、どのようにして投資家を集めるか。それが各社の課題であろう。


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