現在位置:asahi.com>住まい>住まいのお役立ちコラム> 記事 PR 注目マンション情報住宅金融公庫が幕、支援機構として出発2007年03月16日 阿部和義 戦後の住宅不足を緩和しようとして発足した住宅金融公庫が4月1日から独立法人の住宅金融支援機構に生まれ変わる。公庫は1950年に設立され、これまでに1944万人に利用された。戦後、建設された住宅の35%は公庫による。 6年前、小泉内閣の時代に民営化が決まり、その後、独立法人への準備を進めてきた。総裁は、旧建設省出身の望月薫雄氏から、三井物産副社長を経て日本ユニシス社長になった島田精一氏にかわった。島田総裁は民間の経験をいかし、この1年余り、公庫の民営化を推し進めてきた。柱の一つは経営理念の作成である。 「私たちは、自立的で、透明性・効率性の高い経営のもと、顧客価値の創造を目指して多様な金融サービスを提供することで、住宅金融市場で安定的な資金供給を支援し、住生活の向上に貢献します」 今までの公庫では考えられない理念である。顧客価値の創造を目指すというのは、一般の企業では当然のことだが、半官半民の公庫ではそうではなかった。窓口に座っていれば客が来て、それを審査していれば済んだ。すすんで客を探す必要はなかったのである。ところが支援機構になれば、自分で客を探さなくてはならない。 公庫は07年3月2日に住宅ローンの基準金利を3.64%から3.61%に引き下げると発表した。この金利が公庫の最後の貸し出し金利となる。公庫は、客への直接貸し出しを4月1日から止め、銀行やモーゲジバンクなどが客に貸す金を証券化し、それを買い上げ、証券市場で金に換えるという住宅ローンの証券化に変える。 このためにすでに「長期固定のフラット35」という住宅ローンの利用を、銀行やモーゲジバンクにすすめている。取り扱っている機関はメガバンク、地銀、信用金庫、モーゲジバンクなど323に上る。利用者は12万8千戸で、約7兆円の資金を証券化して金融機関などに資金を出している。 島田総裁は、支援機構の採算が取れるようになるにはフラット35の利用者が累積で50万戸、10兆円になることが目標という。この段階になると手数料で機構は運営していける。 一方で機構の合理化を進めており、07年から5年計画で常勤職員を10%以上、一般管理費を15%以上削減するという。今までの公庫のような官に頼る体質を変えることに力を入れてきた、と旧建設省出身の三井副総裁は話す。 官に頼らない経営が出来るかどうかが、機構が成功するかどうかの鍵を握るだろう。三井副総裁の責任は重い。 |