現在位置:asahi.com>住まい>住まいのお役立ちコラム> 記事 PR 注目マンション情報欠陥住宅対策に初めて保険制度を導入2007年06月22日 阿部和義 05年11月に発覚した耐震偽装事件に対して国はいろいろな対策をとってきた。偽装への罰則強化、建築確認や建築士資格の厳格化、消費者保護の充実などである。この中で一番難しかったのが消費者保護のために保険制度を導入することだった。損害保険業界は欠陥住宅に対して保険で補償することに難色を示してきた。額が大きいことのほかに、どのくらいの保険料を取るかが分からないからである。しかし、79年の国民生活審議会の消費者政策部会では「住宅の欠陥が生じた場合の消費者の保護を図る必要があり、保険制度の導入を検討する必要がある」という報告者が出ていた。28年ぶりに実現したことになる。 保険制度は大蔵省(現在は金融庁)の担当であり、住宅は建設省(現在の国土交通省)で話がなかなか進まなかった。ところが耐震偽装の問題が出て、欠陥住宅やマンションに住んでいる人は、業者が倒産して何の補償もなく投げ出されてしまった。このため国土交通省の榊正剛住宅局長は、金融庁と話し合って保険制度の導入を決めた。一番の問題はわざと悪質なものを作ったり、重大なミスがあったときの補償をどうするかであった。これについては住宅保証基金が金を出して救済基金を作ることで金融庁も納得した。 新しい制度はすべての新築住宅の売主に欠陥住宅の補償のための保険に加入するか、保証金の積み立てが義務付けられる。保険の場合は売主は国指定の保険法人に保険料を支払う。国土交通省の試算では1戸あたりの負担は1600万円の戸建て住宅(土地は含まれない)で8万円、20戸のマンションで4万円になる。この保険料で10年間に欠陥が明らかになったときに補償することになる。 悪質なものを作ったときにはこの保険では下りないが基金から補償することになる。 保証金は売主ごとに法務局へ一定額を供託する。供託額は過去10年の販売戸数を基に算定する。500から1000戸は1億4000万から1億8000万円。1戸当り18万から28万円。5万から10万戸なら11億4000万から18億9000万円で1戸当り約2万円。大手業者ほど負担が軽くなる。10年間の間に業者が倒産したときにはこの供託金から補償費用を受け取れる。 この制度は09年秋から実施される。保険法人の選定や救済基金の制度つくりはこれからである。榊局長は「金融庁が協力してくれたのでここまで来た。役所をまたがる制度を作るのは大変です。よくここまできたと思います。制度を作り上げるのはこれからです」と話している。 |