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「住まいのお役立ちコラム」

建築確認混乱による今後の影響、見方が分かれる

2007年11月09日

目黒孝一

 改正建築基準法の施行を受けて新設住宅着工戸数が激減している。7月以降は前年同月比で3カ月連続の2ケタ減と急ブレーキがかかっている。中でも分譲マンションの落ち込みは著しく、9月は前月の63.2%減から74.8%減とさらに下げ幅が拡大した。住宅着工戸数は経済全般への波及効果も大きいだけに、このまま低迷が長期化すれば建設関連業界だけでなく、景気全体への悪影響が避けられない情勢になっている。

 6月に施行した改正建築基準法では高さ20メートル以上の建築物は新たに構造計算の二重チェックが必要となっている。マンションなどはその大半が対象となっており、今回の混乱は着工前の建築確認審査が厳しくなったことが主たる原因である。また、建築確認手続きが大幅に遅延している状況に対して、その混乱の収拾を図る国土交通省の対策が後手に回ったことも大きく影響した。

 全国で74.8%減の水準となったマンション着工だが、このまま低迷すれば関連業界への影響も深刻な事態になりかねない。当然のことながらディベロッパーの来期以降の決算にモロに反映されるだけでなく、(1)着工と販売の遅延によりさらなるコストアップにつながる(2)エリアによっては供給戸数が偏在する可能性がある―などである。

 9月のマンション着工戸数をみると、1985年以来の過去最低水準となった首都圏の85.9%減を始めとして、近畿圏74.3%減、中部圏23.4%減と前年同月に比べてそれぞれ大幅に落ち込んでいる。特に、主力マーケットの首都圏では東京都が80.3%減の過去最低となったほか、東京都以外でも9割前後も落ち込んでおり、神奈川、埼玉、千葉の3県合わせても600戸に満たない数字となっている。

 建築確認の混乱に対する今後の影響については、年内中に収束のめどが付けば「ほとんど影響が出ない」とする見方や、「既に影響が出ている」とする認識など、ディベロッパーの間でも見方が分かれている。三菱地所では2008年3月期のマンション引渡し戸数予想を、4300戸から3200戸に下方修正したが、このうち半分が建築確認の混乱の影響によるものとしている。

 住宅着工戸数の動向については、先行指標となる9月の建築確認件数も前年同月比で27.5%下落しており、住宅着工戸数の低迷は当分収まりそうにない情勢である。マンション市場の雲行きが怪しくなってきた時期の混乱だけに、一刻も早い国土交通省による建築確認手続きの円滑化が求められている。


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