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「住まいのお役立ちコラム」

住宅・不動産の景況感は月を追うごとに悪化

2008年02月08日

目黒孝一

 サブプライムローン問題に端を発した世界景気の減速懸念や円高を背景とした企業業績の下方修正観測が強まり、日経平均株価指数は節目の1万4000円を割り込んだままである。こうした金融市場の混乱は既に厳しい環境にある分譲マンションだけでなく、不動産ファンドの投資余力を直撃し、経営者の景況感も月を追うごとに悪化している。

 住宅メーカーの団体などで組織する住宅生産団体連合会がまとめた低層住宅に関する1月の「経営者の住宅景況感調査」によると、平成19年度第3四半期(平成10〜12月)実績の景況判断指数は総受注戸数が前年同期比でマイナス17ポイント、総受注金額がマイナス13ポイントと、総受注戸数・金額ともに5四半期連続でマイナスという結果になっている。

 一方、中堅ディベロッパーなどが加盟している日本住宅建設産業協会の「経営者による住宅・不動産市場の見通し等調査」でも、平成19年度第3四半期の売れ行きは、戸建て住宅、マンションとも大きく悪化している。戸建て住宅は「普通」が減少して2割を切るとともに、「やや悪い」「悪い」が前期の71%から79%に増えた。また、マンションは「普通」が約3割に減少し、「やや悪い」「悪い」が同59%から68%に上昇するなど、一段と悪化した。

 このように、住宅・不動産業界の経営者による景況感は家計所得の伸び悩みによる消費者マインドが低下する中で、住宅着工戸数の大幅減、原油高、株価の下落などが心理的な買い控えに拍車をかけているとして、一段と厳しい見方となったものである。

 足元の指標をみると、国土交通省が発表した2007年の新設住宅着工戸数は、106万741戸となり、1967年以来、40年ぶりに110万戸を下回った。なかでも、首都圏のマンションは前年比33.3%減と大幅な落ち込みで、改正建築基準法の施行に伴う建築確認の停滞・混乱の影響がモロに出た格好である。また、不動産経済研究所の調査では、昨年の首都圏のマンション供給戸数は6万1021戸と9年ぶりの低水準となった。売れ行きを計る月間契約率も69.7%と、好不調の目安となる70%台を下回り、実に16年ぶりの落ち込みとなった。

 市場の変調が顕在化してきたのは、「新価格」といわれるように販売価格が大幅にアップしてきた昨年の半ばからである。マンションの用地取得競争はさすがにかつてのような激しさは鳴りを潜めているが、建築費はゼネコンからの値上げ攻勢が一段と厳しくなっており、このままの原価積み上げではマンション価格を上昇せざるを得ない状況が続くことになる。

 ディベロッパーにとっては今後、大胆な商品企画の見直しを含めた価格の調整が必要になるが、市場が上向くためには(1)郊外部を中心とした販売在庫処理が大きな混乱もなく終了することができるかどうか(2)好調な都心部の大型物件がさらに新たな需要を掘り起こし、引き続きマーケットを主導できるかどうか――がキーポイントになる。


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