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複合ガラスと塩ビサッシ推奨 環境省が住宅の省エネ推進

2008年4月11日

  • 筆者 阿部和義

 京都議定書の第一約束期間に08年4月1日から入ったことで、環境省や経済産業省などが産業界などにハッパをかけている。両省の分科会で関係業界の「自主行動計画」についての評価見直し(フォローアップ作業)をしている。不動産業界は定性的目標を定量化目標にして5%の削減目標を打ち出した。一方、家庭部門については温室効果ガスの排出が05年度実績で90年度比36%も増加。このため政府の京都議定書の目標達成計画では家庭部門について「住宅の省エネ性能の向上」をあげている。

 具体的には(1)ESCO(包括的な省エネルギーサービスを提供する事業のこと。エネルギー・サービス・カンパニーの略)を活用して省エネ機器・設備の導入を促進する(2)既存住宅についても一定の省エネ改修(窓の二重サッシなど)を行った場合の省エネ改修促進税制の創設、などをうたっている。

 こうした省エネの動きの中で、環境省は率先して08年3月末までに霞ヶ関本庁舎の窓をすべて断熱タイプに改修した。今までの窓はアルミサッシと単板ガラスによるものであった。今回は、その内側に塩ビサッシと複層ガラスとを組み合わせた高断熱性のうち窓を設置。環境省によると、この改修工事で熱エネルギーを40%削減できるという。

 環境省が採用したうち窓に使われている塩ビサッシの普及に努めているのは塩ビ工業・環境協会(会長・土屋隆・東ソー社長)の中に作った「樹脂サッシ普及促進委員会」である。この委員会の活動を含め、住まいの省エネ問題を長年取材している元石油化学新聞社の編集局長、音無保氏(現ケムネット東京専務)は「環境問題のクローズアップに歩調を合わせるように、最近は工務店や一般市民の間で塩ビサッシの持つ優れた断熱・省エネ性能を評価する向きが増えている。塩ビサッシを採用した戸建て住宅やマンションを購入した人に話を聞くと『夏冬を問わず快適な暮らしが送れるようになり、しかも光熱費をかなり節約できて助かっている』と、まるで図ったような回答が返ってくる」と話している。

 坂本雄三・東大大学院教授の研究室による研究結果では、塩ビサッシの省エネ効果は、アルミサッシに比べ、二酸化炭素の量が戸建てで年3分の1以下、集合住宅で4分の1である。冷暖房費は戸建てで年3万5千円、集合住宅で年1万3千円安くなる。改修工事費がかかるので単純に比較できないが長期で使用すればもとは取れるだろう。坂本研究室では「日本全体で年間1兆円の光熱費の節約、既存の住宅改修で二酸化炭素は3500万トン削減できる」と発表した。

 こうした地道な努力が京都議定書の実現になるのだろう。しかし、道は厳しい。

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