2008年6月13日
地方の市内の中心にある商店街が店を閉じてシャッター通りに、という話はだいぶ前から聞かれている。北海道・夕張市が財政破綻したという暗い話もあった。地域の活性化は日本で大きな問題になってきている。そうした時に官と民が協力して地域再生をしようというPPP方式(パブリック・プライベート・パートナーシップ、官民連携)が注目され始めた。今までもPFI方式(パブリック・ファイナンス・イニシアチブ、公共サービスの民間開放)で議員宿舎を建設したことなどあるが、それをさらに進めたものだ。
このやり方を進めているのが東洋大学のPPP大学院。「塩じい」で親しまれている塩川正十郎・元財務相が総長だ。地域の再生が必要という持論からこの大学院を設立した。「地域再生支援プログラム」を設けており、相談に来る市町村は多い。同プログラムでは自治体が直面している課題について簡易調査(数日)、本格調査(数カ月)を実施し、調査リポートを出す。文部科学省の「大学院教育支援プログラム」に認定されたことからリポート作成費や大学側の旅費などは不要である。
米国でのPPP方式を実践してきたサム・田淵特任教授と根本祐二教授が地方自治体の相談に乗っている。すでに岩手県紫波町から相談があり、PPP方式で町の再生を図る。この町もほかと一緒で財政難の中で役場の庁舎(1963年建設)と給食センター(73年建設)、図書館(なし)を整備することになった。町内の人が東洋大大学院と公民連携で出来ないか、と相談に来たことから始まった。
07年4月に東洋大と紫波町が協定を結び、大学院から1人が派遣されて可能性を探る調査が始まった。8月に報告書が出て、現在はPPP推進協議会が町民と意見交換会を持っている。国の「全国都市再生モデル調査」にも選定された。サム・田淵氏によると紫波中央駅前の公有地10.7ヘクタールを活用、財政負担を最小にして整備計画を進めるという。
このほか兵庫県・加西市も08年5月に東洋大とPPP推進協定を結んだ。中川市長は市の借金の半分を占める下水道事業の効率化だけでなく、市政全般をまとめて民間委託することも考えている。中川市長は記者会見で「市はフルラインでサービスを提供してきましたが、財政的にも市民ニーズの多様性からも限界に来ており全部は出来ません。民間と協力していくしかありません」と発言した。中川市長は鹿島建設勤務を経て、松下政経塾出身でもある。PPP方式については前向きに取り組む方針だ。
東洋大には富山市や福井県あわら市などからも相談が来ている。米国ジョージア州サンデースプリング市の成功を自ら体験したサム・田淵特任教授に対する期待は大きい。