2011年12月23日
2012年の首都圏・近畿圏の「マンション市場予測」が発表された。不動産経済研究所によると、新規発売戸数は首都圏が11年(見込み)の17.6%増にあたる5万3千戸、近畿圏が同1.0%増の2万700戸になるという。いずれも、3年連続で前年比プラスとなっている。
新規発売戸数が増えるのは、東日本大震災の影響で供給開始がずれた物件が上積みされ、マンション着工が増えたのが主な要因とみられる。また、超高層・超大型物件は依然として人気を集めるものの、開発リスクを抑えるため総戸数100戸以下の中小規模物件の供給が主流になってくると予測する。
このほか、2012年市場のポイントとしては、(1)用地費・建築コストは上昇傾向にあるものの、総額価格の抑制で専有面積は縮小傾向になる。(2)ローン審査の要件選別化で若年中堅所得者の購入意欲が減退する。(3)太陽光・太陽熱、蓄電池などを備えた「創エネマンション」や免震・制震工法が普及する。(4)住戸専有面積が30〜60平方メートル未満のコンパクトマンションにも注目が集まり、シェアは3割を突破する――などと、同研究所は見ている。
市場全体を見通せば、住宅への投資マインドは回復基調にあるものの、雇用情勢や所得環境が依然として厳しいことから先行き不透明感が強いものとなるだろう。また、5万戸台の市場(首都圏)とはいうものの、大手シフトがさらに加速することは間違いない。2010年の供給上位10社のシェアは50.2%、上位20社では68.8%だったが、2011年(1〜10月)では、上位10社で51.1%、20社で69.0%となった。つまり、上位10社で供給全体の5割、上位20社で7割弱のシェアを占めている。
主なプロジェクトの動向をみると、首都圏の主要ターミナルエリアでは大規模物件の販売が目白押しである。東京湾岸エリアで大震災後初の超高層マンションとして注目を集めた「プラウドタワー東雲キャナルコート」(東京・江東区、総戸数600戸のうち第1期分の250戸が即日完売)に続いて、年明けからは「ザ・パークハウス晴海タワーズ」(東京・中央区、総戸数1800戸)の第1期「クロノレジデンス」(地上49階地下2階建て、883戸)の販売が本格化する。また、千葉県船橋市では約1500戸のマンションと商業施設・総合病院などで構成する複合開発が始動する。さらには神奈川県横浜市の磯子エリアでは総戸数1200戸規模の大規模分譲マンション「(仮称)横浜プリンスホテル跡地開発計画」なども本格的に売り出される。
こうしたプロジェクトは大半が大手のJV物件で、今年は「大手同士の真剣(ガチンコ)勝負」(大手ディベロッパー)が繰り広げられることになりそうだ。